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差物
「差物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
、すぐ引き添うた。 見ると、岡山口から天王寺口にかけて、十五万に余る惣軍は、旗
差物を初夏の風に翻し、兜の前立物を日に輝かし、隊伍を整え陣を堅めて、攻撃の令の下....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、背には、軍配|日月の中央に南無日輪摩利支天と認めた母衣を負い、その脇に竜虎の旗
差物が挾んであった。しかし、その一列のうちに注目すべき現象が現われていたと云うの....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
船に分乗し、島の東北岸|鼓の浦へ廻航した。其の時の軍令の一端は次の如しだ。 一、
差物の儀無益にて候。 一、侍は縄しめ襷、足軽は常の縄襷|仕るべく候事。 一、惣人....
「巌流島」より 著者:直木三十五
口と鼻とから鮮血が流れ出た。 武蔵という人は身の丈六尺、力が強かった。ある人、
差物竿にするから竹を選んでくれというと、武蔵竹を右手にとって、びゅっと振ると、竹....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
遂に或る天気晴朗な払暁に到って、遥か東の方の水平線上に美々しく艤装した大船が、旗
差物を旭に輝やかしつつ南下して行くのを発見した。そこで息も絶え絶えのまま、手招き....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
十三 こうして、この一行は事実上の鳴物入り、それに加うるに夥《おびただ》しい旗
差物《はたさしもの》で、まもなく関ヶ原の本場へ着いてしまいました。 まあ、こん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、珍しく両刀を帯びた検見衆《けんみしゅう》らしいのが二人、間竿《けんざお》を旗
差物《はたさしもの》のように押立てさせた従者と、人夫と、都合七八人の一行でありま....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
列が、喊声をあげて、関ヶ原の中央を掃きながら、此方へ殺到して来るのだった。 旗
差物を見て、又八が、 「あっ、福島の隊だ」 あわて出したので、武蔵はその足首を....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
幔幕を張りめぐらす者や、櫂をしらべる水夫楫主、または朱塗の欄の所々に、槍お船印の
差物を立てならべる侍などが、事俄かのように目を廻している。 その混雑の中を通っ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て、はるか麓まで押し流れて行く。すべてそれは、人間と馬と、また新田勢や中書軍の旗
差物などだった。 「まずかった」 脇屋義助。兄の義貞にまさるこの勇将は、どこか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
城を包囲していた敵が、攻め口を解いて逃げ落ちるさい、道の諸所にあわてて捨て去った
差物にござります」 「ほ。百|旒を越す数だな」 「それよりは、篤、一つ一つの紋を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
初めて真面目をあらわすかのようなのが、すべて会下山の南を埋めた。それが誰々とも旗
差物でもよくわからないが「……ここに御手分ありて」と誌す梅松論の一|項には、 下....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って無念無想に描き上げたるに、初めて意に通うものが出来上った」と述懐した。 「旗
差物の桿の良否を試しとうござるが――」 と、百本ばかりの竹を武蔵に示すものがあ....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
した。 曠野をかこむ丘、山、峰が黒々と肌を露わす。その要所要所に、柵が見え、旗
差物が濡れて立ち、人馬が点々と望まれた。西軍石田三成以下、小西、小早川、毛利、長....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
賀彦右衛門殿の陣、福島正則殿の陣、浮田秀家殿の陣、黒田官兵衛殿の陣――そのほか旗
差物のひらめく所、野といわず、山といわず、畑、林といわず、到る所から一斉に、引揚....