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「差込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

差込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
されてあった葭簀《よしず》の日覆《ひおい》を洩《も》れて、まだ暑苦しいような日の差込む時が、二三日も続いた。 「ええ、子供の時分から慣れっこになっていますから」....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
お熊|様《さん》はあゝやって懐妊だからごろ/″\して居り、折々《おり/\》奥様は差込むと仰しゃるから、少しは手伝って頂きませんじゃア、手が足りません、私《わたく....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
分の神経衰弱から来る妄念のせいにしていた。 いま、暴風のために古菰がはぎ去られ差込む朝陽で、彼はまざまざとほとんど幾年ぶりかのその古池の面を見た。その途端、彼....
河明り」より 著者:岡本かの子
お願い申します」 老父は右手の薬煙草をぶるぶる慄わして、左の手に移し、煙草盆に差込むと、開いた右の手で何処へ向けてとも判らず、拝むような手つきをした。それは素....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
――」 と復た亭主が馬の鼻面を押しやった。それからこの可憐な動物は桶の中へ首を差込むことを許された。馬がゴトゴトさせて食う傍で、亭主は一斗五升の白水が一吸に尽....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
石の加増など、一生かかっても、有りつけんぞ」 玄関際の、詰所――小さい庭から、差込む明りだけで、薄暗くて、冷たい、部屋の中で朋輩の一人がいった。 「そうでも無....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
かけば幾らでもかけたような気がしてならない。この頃は、朝早くから窓一ぱいの光線が差込む。それを使わずに見ているのが癪に障るので、己は昼まで寝部屋の中に寝ているの....
静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
の柱の中軸に掘込んだ穴にはまるようになっており、柱の根元を横に穿った穴にボルトを差込むとそれが土台の金具を貫通して、それで柱の浮上がるのを止めるという仕掛になっ....
露の答」より 著者:坂口安吾
た。 すると夫人は男に向って、昨日は大きな丸太を割りもせず、おまけに濡れたのを差込むものだから燻って目も開けていられなかった、今日は良く乾いていますか、濡れた....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
ながら、薄暗がりに立って、また暫時私の寝息を覗っている風でした。 窓|硝子から差込む月の光が蒼白いためか、夫人の顔は幽霊みたいに蒼く見えるのです。そしてまるで....