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差障
「差障〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差障の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
けしき》を窺《うかが》いながら、腹の中でざまを見ろと呟きたくなった。
「政治上の
差障《さしさわ》りさえなければ、僕も喜んで話しますが――万一秘密の洩れた事が、山....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
そこで肝腎《かんじん》の話と云うのは、その新蔵《しんぞう》と云う若主人が(ほかに
差障りがあるといけませんから、仮にこう呼んで置きましょう。)二十三の夏にあった事....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
えども、義経はすでに誅せられ、ことに今年は造大神宮の上棟、大仏寺の造営等、種々の
差障りあるのゆえをもって依然としてお許しがなく、せめては本年だけ猶予せよとお求め....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
らに細民部落と呼びかえている。しかしこれはむしろ侮辱的の名称である。そこで何とか
差障りのない名に改めたいとて、或いは後進部落とか、密集部落とか、いろいろの名称を....
「印象」より 著者:小酒井不木
件があります。医師は他人の秘密を話してはなりませんけれど、別にこの場で御話しても
差障りもないようですし、事件の主人公は死んで居るんですから、申上げることに致しま....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
この行き方こそ、真に職業に忠実なるものであると堅く信じております。 あるいは御
差障りがあるかも知れませんが、世間には一人で幾十という会社の重役を兼ねて居るのを....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
うと云っていたが、日曜というと天気が悪かったり、天気がいいと思うときっと何かしら
差障りがあって、とうとう四月二十日の今日の日曜までこのささやかな欲望を果たす機会....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
皆のためにも、凡て好都合ではないか。もし兼子に子が出来ても女の子であるから少しも
差障りはない。 「固より向うとはきっぱり手を切ってしまうのです。」と彼女は云った....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
中もおり、いささか憚りがあるとされるならば、この議は取り消しても宜しいが、もしも
差障りがないならば、最も話しよい調子で話すことにしては、どうであろうか……。 ....
「同胞」より 著者:豊島与志雄
う仰言るので……。それにしたって、もう十三年も、十五六年も前のことですから、別に
差障りはなかろうと、私としては思ったのですけれど……そしてあなたにしたって、一人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を見て神尾主膳は、ひそかに喜びました。二人をここへ移すことによって、自分の罪悪に
差障《さしさわ》りの来ないことを信ずるほどに、主膳はそれを見て取ることができたのでしょう。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、忽ちつまみ出され御用済みしだい解放されるのだから、生命にも、財産にも、べつだん
差障りはないのだし、何十里走らせようとも別にまた駕籠賃だの、酒料《さかて》だのを....
「恢復期」より 著者:堀辰雄
第二部 その後御病気御順調の由、何よりも結構です。 もしお身体にお
差障《さしさわ》りないようでしたら当分こちらへ来てみませんか。今年《ことし》は西....
「女性の生活態度」より 著者:宮本百合子
合っています。だから今日の世の中で、何か一つのことをやって行くには、どちらからも
差障りの起らないそれでいて自分の一番願うことが実現されていくという様なことは実際....
「四十八人目」より 著者:森田草平
御親類の間柄だ。ここで俺が戸田家の家来たる兄に有様を打明けてみたところで、別段|
差障りの生ずるようなこともあるまい。このたびの事は、親兄弟たりともいっさい漏らす....