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己が
「己が〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
己がの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うから気がついていた。
「しかし、己を不快にするものは、まだほかにもある。それは
己があの眇と、対抗するような位置に置かれたということだ。己は昔からそういう位置に....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
月が出るのを待ちかねる己《おれ》も、今日ばかりは明くなるのがそら恐しい。今までの
己が一夜の中《うち》に失われて、明日《あす》からは人殺になり果てるのだと思うと、....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
と云うは、悉く己《おの》が身の仏性《ぶっしょう》を観ずると云う意《こころ》じゃ。
己が肉身は、三身即一の本覚如来《ほんがくにょらい》、煩悩|業苦《ごうく》の三道は....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
はまだ暖い血が流れている。どうか己にもう少し己の生活を楽ませてくれ。
男 お前も
己が一度も歎願に動かされた事のないのを知っているだろう。
B (絶望して)どうし....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ぎ》った話を、出来るだけ詳しく話しました。「世間の噂も、己の考えでは、誰か第二の
己が第二のお前と一しょにいるのを見て、それから捏造《ねつぞう》したものらしい。己....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
様がない。め組もまた、さんざ油を売った癖に、急にそわそわせずともだ。まあ、待て、
己が話があると言えば。 そこでだ……お茶と申すは、冷たい……」 と口へつけて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い。単なる過去の繰り返しによって満足していることが出来ない。何故なら、そこには自
己がなくしてただ習性があるばかりだから、外界と自己との間には無機的な因縁があるば....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
じた。ティアマートはこの神々の群衆が次第に自分の領域を我がもの顔に侵すのを見て、
己が主権を擁護するために、人首牛身、犬身魚尾などという怪物どもの軍勢を作り集めた....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
渡す、向後|一切、謡を口にすること罷成らん。立処に勘当だ。さて宗山とか云う盲人、
己が不束なを知って屈死した心、かくのごときは芸の上の鬼神なれば、自分は、葬式の送....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
うやく石段の中ほどで、吻と息をして立った処が、薄暮合の山の凄さ。……天秤かついだ
己が形が、何でございますかね、天狗様の下男が清水を汲みに山一つ彼方へといった体で....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
くなって、胸もぶわぶわと皺が見えるに、屹と目を※る肩に垂れて、渦いて、不思議や、
己が身は白髪になった、時に燦然として身の内の宝玉は、四辺を照して、星のごとく輝い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
母はくれぐれ遺言せしが、我等の年紀の少かりければ、得三は旧のまま一家を支配して、
己が随意にぞ振舞いける。 淑母死して七七日の忌も果てざるに、得三は忠実の仮面を....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
る暗黒なる大威力が我身の内に宿っているように感じるのである。 もしこいつ等が、
己が誰だということを知ったなら、どんなにか目を大きくして己の顔を見ることだろう。....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
刻に入るを喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の興趣、水上に投射せる
己が影の長きより長し。 舷に倚り手を伸べて右の示指に綸を懸け、緩く進退しながら....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
問があったが、私は「私ども軍人には明治天皇から『世論に惑わず政治に拘らず只一途に
己が本分』を尽すべきお諭しがある。財政がどうであろうと皆様がお困りであろうと、国....