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己惚れ
「己惚れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
己惚れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
後ろには、いつも作者に材料を与えてやるという己惚《うぬぼ》れがひそんでいる。その
己惚れはもちろん、よく馬琴の癇《かん》にさわった。が、癇にさわりながらも、やっぱ....
「星座」より 著者:有島武郎
よ。これから冗談はあらかじめ断ってからいうことにしましょう」
「まったくあなたは
己惚れが強いわねえ」
といいきらないうちに奥さんは口許に袖口を持っていって漣《....
「放浪」より 著者:織田作之助
の傍によらぬことにしていたが、知れて、美津子の嘲笑いを買ったと思った。二皮目だと
己惚れて鏡を覗くと、兄の文吉に似ていた。眼が斜めに下っているところ、おでこで鼻の....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
の上に鼻がのし掛っていて、まるで文楽人形の赤面みたいだが、彼はそれを雄大な顔だと
己惚れていた。けれども、顔のことに触れられると、さすがに何がなし良い気持はしなか....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
が「信州にかくれもなき雲をつくような大男、雷様を下に見る不死身の強さは日本一」と
己惚れた余りの驕慢の罰として、師の戸沢図書虎より忍術を封じられた挙句、虎の巻も捲....
「雨」より 著者:織田作之助
の上に鼻がのしかかっていて、まるで文楽人形の赤面みたいだが、彼はそれを雄大な顔と
己惚れていた。けれども、顔のことに触れられると、何がなしいい気持はしなかった。…....
「阿Ｑ正伝」より 著者:井上紅梅
にせず、やっぱりひやかしだと思っていたが、阿Ｑは大層喜んだ。 阿Ｑはまた大層｜
己惚れが強く、未荘の人などはてんで彼の眼中にない。ひどいことには二人の「文童」に....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
は当然のこと、支店の自滅策としてこれ以上の効果的な方法はなかったと、いまもおれは
己惚れている。しかしこれも弁解すれば、結果から見てのこと、何も計画的に支店をつぶ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
秋を知るとは古人の言だが、一行の落ちに新吉は人生を圧縮出来ると思っていた。いや、
己惚れていた。そして、迷いもしなかった。現実を見る眼と、それを書く手の間にはつね....
「僕の読書法」より 著者:織田作之助
僕の読書法 織田作之助 僕は視力が健全である。これはありがたいものに思っている。むしろ
己惚れている。
己惚れの種類も思えば数限りないものである。人は
己惚れが無くては....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
かった。ただ私は、人に好かれたかった、自分に自信をもちたかった、自分の容貌にさえ
己惚れたかったのだ。だから、はじめて見合いして、仲人口を借りていえば、ほんとうに....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
たが、ぼくは唯、彼がぼくの機嫌をとる態度をみて、嫉妬される者の優越感を味い、少し
己惚れ気味に良い気持になっていた。 宿に移り、彼らの隣の部屋に落ちつくと、明日....
「俗臭」より 著者:織田作之助
を、伝三郎は非常に好むという癖がある。彼は近頃肥満して来て、大旦那の風格があると
己惚れているのだった。 さて、その時、政江の顔に微笑が浮ぶに及んで、伝三郎の度....
「放浪」より 著者:織田作之助
、人の傍によらぬことにした。が、知れて、美津子の嘲笑を買ったと思った。二皮目だと
己惚れて鏡を覗くと、兄の文吉に似ていた。眼が斜めに下がっているところ、おでこで鼻....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
――、現場を見ないんだからねえ」 「じゃ、見せてやろうか」 「オホホホ。そんなに
己惚れると失敗するわよ。耻を掻かせるといけないから、今日はおあずけにして、またこ....