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己等
「己等〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
己等の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電報」より 著者:黒島伝治
たりした。 「奉公やかい。」と、源作は、一寸冷笑を浮べて、むしむしした調子で、「
己等《おれら》一代はもうすんだようなもんじゃが、あれは、まだこれからじゃ。少々の....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
かい聞くのじゃないか。お前はそう言うがそりゃ負惜しみというものじゃ、六かしい事は
己等に分らんかも知れねど、それを一々、さあこう書いてある、あゝ言うてあると歌でも....
「弟子」より 著者:中島敦
、決して世を拗《す》ねたのではなく、あくまで用いられんことを求めている。そして、
己等《おのれら》の用いられようとするのは己がために非ずして天下のため、道のためな....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
困難は察するに余りある。斯様いう場合、戦乱の世の民衆というものは中々に極度まで自
己等の権利を残忍に牢守《ろうしゅ》している。まして敗軍の将士が他領を通過しようと....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
が愛郷土的な市民に君臨するようになったか、市民が其等の勢力を中心として結束して自
己等の生活を安固幸福にするのを悦んだためであるか、何時となく自治制度様のものが成....
「農村」より 著者:宮本百合子
なあ、お前様。 お前様みたいな方は、若いうちも年取りなっても同じなんべえけど、
己等みたいなものは、婆《ばば》になったらはあ、もうこれだ、これだ。 と変な笑い....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くところでは水野の一派は捨蔵様の御居所を捜しだし、これを擁立して御分家を強請し、
己等一味の勢力を扶殖し、同時に阿部伊勢守を打倒する具に使おうとする意志のよしでご....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
師でもない、素人だ」と言いますと、「其様なに隠さずとも好いだろう、相見互だもの、
己等の付合も為てくれたって、好さそうなもんだ」など、嫌味を言って、強請がましいこ....
「雀が森の怪異」より 著者:田中貢太郎
。神中の頭はわくわくとした。神中はくいつくようにしてその記事に眼をやった。それは
己等兄妹を傷つけた憎むべき記事であった。神中は眼前が暗くなった。 「僕は君を知っ....
「牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
されたように立ってその女の方を見つめた。 秀夫はふとまだ他にちがった婢がいて、
己等のようなふりの客の処へは出ずに、金を多く使う客の処へ出ているかも判らないと思....