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巵
「巵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巵の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
も皿は食われぬ。唇《くちびる》を着けぬ酒は気が抜ける。形式の人は、底のない道義の
巵《さかずき》を抱《いだ》いて、路頭に跼蹐《きょくせき》している。 世界は色の....
「運命」より 著者:幸田露伴
謹者をして荒み、荘者をして狂し、貴者をして賤しく、存者をして亡ばしむ、といい、酒
巵の銘には、親を洽くし衆を和するも、恒に斯に於てし、禍を造り敗をおこすも、恒に斯....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
り。母の言黙止し難くて、今日山木の宴に臨みつれど、見も知らぬ相客と並びて、好まぬ
巵挙ぐることのおもしろからず。さまざまの余興の果ては、いかがわしき白拍子の手踊り....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
中々素人では無い。「四十年前少壮時、功名聊復自私期、老来不識干戈事、只把春風桃李
巵《サカヅキ》」なぞと太平の世の好いお爺さんになってニコニコしながら、それで居て....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
思う。この著者がどうかすると腥さ坊主と云われる所以かもしれない。 一方では玉の
巵に底あることを望んだり、久米の仙人に同情したり、恋愛生活を讃美したりしているが....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
草に書かれましたる中に『よろずにいみじくとも、色好まざらん男はいと騒騒しく、玉の
巵のそこなき心地ぞすべき』と仰せられました。また『世の人の心まどわすこと色慾にし....