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「巷路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巷路の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
の上だが、急いで用も無い身体である。もう一つの理由はトンネル横町と呼ばれる変った巷路を通り度いためでもある。 いずれは明治初期の早急な洋物輸入熱の名残りであろ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
、寒い冬の月夜を歌留多にふかして、からころと跫音高く帰って来たこともあった。細い巷路の杉垣の奥の門と瓦屋根、それはかれにとってまことに少なからぬ追憶がある。 ....
新茶のかおり」より 著者:田山花袋
って、東郊をそぞろあるきするのも好い。 端午の節句――要垣の赤い新芽の出た細い巷路を行くと、ハタハタと五月鯉の風に動く音がする。これを聞くと、始めて初夏という....
日本橋附近」より 著者:田山花袋
不恰好なヴェランダや、低い物干台などを発見した。二条三条ある横の通りを縦に小さな巷路の貫ぬいているのを発見した。新開地でもあるかのように新しくぞんざいに建てられ....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ば小役人と浪人の巣だが、その石原新町お賄陸尺《まかないろくしゃく》のうら、とある巷路《こうじ》の奥なるこの庵室は、老主玄鶯院の人柄をも見せて、おのずから浮世ばな....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
歩いていた。 その男が、遠い灯りがさすだけで、殆《ほと》んど真っ暗がりな夜中の巷路《こうじ》に、ふと立ち停まって、件《くだん》の大川屋の板塀の方へ、すっと吸い....