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「巻舌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巻舌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犯人」より 著者:太宰治
、同夜八時頃、大津駅前、秋月旅館の玄関先に泥酔の姿で現われる。 江戸っ子らしい巻舌で一夜の宿を求め、部屋に案内されるや、すぐさま仰向に寝ころがり、両脚を烈しく....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
身に成り上がっても、もとの素姓はなかなか洗い切れぬとみえて、言葉のところどころが巻舌がかってもつれました。 「誰に頼まれて要らざる真似をしやがるんじゃ。うぬは何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「誰だ、誰だいッ、ふ、ふざけたまねをするない」 振舞酒《ふるまいざけ》の余勢で巻舌《まきじた》をつかってみましたが、からきり物になりません。提灯を切り落される....
惜別」より 著者:太宰治
べらんめえ口調を使ってみても、その相手が日本人ならば、あいつ田舎者のくせに奇怪な巻舌を使っていやがるとかつは呆れ、かつは大笑いするところでもあったろうが、この異....
火薬船」より 著者:海野十三
える。 だが、こっちは岸隊長以下、すこしも油断はしていなかった。中国人が、急に巻舌の東京弁でしゃべりだしたのには、ちょっとおどろいたが、わけのわからないうちに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
句の起るはずはないが、主膳がこうして痛快な気分で、「見られたざまじゃねえや」――巻舌をしながら見据えているのは、その気が知れないことです。 主膳としては、こい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、いよいよ増長し出してきました。そうして、何かポンポン啖呵《たんか》をきったり、巻舌をつかったりしてみるのだが、お角さんの眼で見ると、板についている奴は一人もな....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
れがくせの、左の手でやぞうをきめて、新進的代言人らしくもなく、ならずもののような巻舌《まきじた》で言った。 「祖母《おばあ》さんが厠《はばかり》へゆきたくなった....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
たのだが、みんな、法印に賺《す》かされて、もってってしまわれやがった。」 父は巻舌《まきじた》で、晩酌をやりながら、そんなことを言った。法印さんは、そんな品《....
女難」より 著者:国木田独歩
るが早いか、 『サア聞いてくれ、私はもうどうしても勘弁がならんのだ』と、それから巻舌で長々と述べ立てましたところを聞きますと、つまりこうなんです、藤吉がその日仲....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
。子供だって、覚えようって来たものを、手筋も見ないで帰す馬鹿があるかッ。」 と、巻舌で息子を罵《のの》しった。その見幕《けんまく》に、泣き出すかと思った子は、ち....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ねえくせにきいたふうのことを言うと口が風邪をひくぜ、気をつけろい、と、いつにない巻舌でやり返したということだった。 三階の窓 浅草橋の番屋で。 今日も....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
がした。 「大鍋のお美野さんがどうかしましたかい。」 渋い太い、咽喉のかすれた巻舌である。釘抜藤吉、起きて聴いていたのだ。 三 宗右衛門橋から比....
活人形」より 著者:泉鏡花
手に行きて銀平を見れば、「八、やい、置去りにしてどこへ行っていた。というさえ今は巻舌にて、泥のごとくに酔うたるを、飲直さむとて連出しぬ。 得三は他に一口の短刀....
春泥」より 著者:久保田万太郎
荒い物言をする由良ではなかった。たゞ舞台のことについてだけまれにそう癇癪を起して巻舌になった。同時にそうなるとこれ何う車を横に押すか分らなかった。――誰も、たゞ....