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「巻雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巻雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、太陽の光雲以上のガスの質量は、地球表面から一二キロメートル、すなわち、一番高い巻雲の浮んでいるくらいの高さ以上にある空気の質量よりも大きくはないのである。 ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
づける雲がある。 白い羽毛のようなのや、刷毛で引いたようなのがある。 通例|巻雲と訳されている。 私の子供はそんなことは無視してしまって、勝手にスウスウ雲....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
んで居ると、空中に大きな物の唸り声が響く。縁から見上げると、夏に見る様な白銅色の巻雲を背にして、南の空に赤い大紙鳶が一つ※って居る。ブラ下げた長い長い二本の縄の....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
取巻く、もっと近い山々は、半分霧の中に没して、それから頂上までの間に、点々として巻雲をうかべていた。こうして全体を見渡したところ、あんまり雲霧《くも》が多く、大....
イーハトーボ農学校の春」より 著者:宮沢賢治
そらを見ながらあるいていて一体何を見ているの。そうそう、青ぞらのあんな高いとこ、巻雲《けんうん》さえ浮《うか》びそうに見えるとこを、三羽の鷹《たか》かなにかの鳥....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
心独名流から更に一派を開きたる秋岡陣風斎に愛され、一師一弟の別格稽古を受け、八方巻雲の剣法の極意を相続する位地にまで進んだので有った。 「その伝授の前に、必ずそ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
がぼんやりとけむり、古沼《ふるぬま》のようにはるばるとひろがっている。空には白い巻雲《まきぐも》がひとつ浮いていて、眼に見えぬくらいゆっくりと西のほうへ流れてゆ....
三国志」より 著者:吉川英治
んに樹々の嫩葉も梢もびゅうびゅうと鳴って、一点暗黒となったかと思うまに、一|柱の巻雲が、はるか彼方の山陰をかすめて立ち昇った。 「――龍だ、龍だ」 「あれよ、龍....
」より 著者:中谷宇吉郎
るのである。これが普通われわれの見受ける所の即ち雨雲に出来るハロであるが、稀には巻雲《けんうん》や巻層雲《けんそううん》にハロが現れることがある。 巻雲という....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 密集、重積、氾濫、迷眩、混乱。 帆だ、帆だ、帆だ、 運搬、駛走、海洋、巻雲。煙、煙、煙。 と、砕氷船。 「大きいぞ。」と声がかかる。 と、たちまち....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
たらしい。牟礼柏原の間で夜が明け初める。上州方面の山々は、淡い樺色に染まった高い巻雲層の下に、動くともなく屯している幾重の乱雲に包まれて、唯だ四阿山であったろう....