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市価
「市価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一本の花」より 著者:宮本百合子
につくことは多くあった。 社会事業の一として、内職に裁縫をさせていたが、工賃は
市価よりやすかった。ちょっと不出来な箇処は何度でも縫いなおさせた。 「それじゃ、....
「創生記」より 著者:太宰治
ります。原稿かいて、雑誌社へ持って行っても、みんな、芥川賞もらってからのほうが、
市価数倍せむことを胸算して、二ヶ月、三ヶ月、日和見、そのうちに芥川賞|素通して、....
「一連の非プロレタリア的作品」より 著者:宮本百合子
らは質問するというが、七百万人の失業者のあふれたアメリカの子供、牛乳業トラストが
市価つり上げのため原っぱへカンをつんで行って何千リットルという牛乳をぶちまけ、泥....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
の如く、画商人というものがあり、鑑賞家への仲介すべき高砂屋があり、高砂屋によって
市価が生み出され、完全に商業化された組織があって、しかもなお神様は貧乏を常識とし....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
の如く、画商人というものがあり、鑑賞家への仲介すべき高砂屋があり、高砂屋によって
市価が生み出され、完全に商業化された組織があって、しかもなお神様は貧乏を常識とし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れ国家が金の輸出を禁止し、日本の国に於ても、公定相場が持ちきれなくなり、その一匁
市価が十円まで飛び上ったとして、右の享保小判の一枚は四十七円に相当するから、五十....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
った際に、この藩々の紙幣は悉皆朝廷より正貨と引換えられた。その引換えの率は藩々の
市価に依るものとせられたが、松山藩の紙幣は、六貫文の百匁が、五貫文の割合であった....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
るから引取つて下さい、その代りお店のためには血の雨でもくゞるから、と言ふ。取引は
市価の闇相場だから、別にこの取引を拒絶することはない。居ながらに取引ができるだけ....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
シャンハイ》に著《つ》くや否や、一本の仮辮子《つけまげ》を買取り――その時二円の
市価であった――家《うち》へ帰るまで付けて歩いた。母親は結局なんにも言わなかった....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
東京に戻った。そして調べてみると、生糸が暴落を重ねているのも事実であるし、日本の
市価と関係のない金額で外国商人が取引するのも例のないことではなく、むしろ、それが....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
と都下の某百貨店で、七月の中元売出しを控えて角砂糖の特価販売をした。当時角砂糖は
市価一斤二十三銭、製造会社の卸原価が二十銭でこの利鞘が一割五分であるから、これは....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
べて醤油の方が割合に高価で、醤油の上物と酒の極上物と相匹敵しているのは、いま酒の
市価が醤油の四倍から五倍になっているのを思うと、甚だ残念で堪らぬ。 下って、享....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
なって自から下画を描いた事があるそうだ。軽焼屋の袋は一時好事家間に珍がられて俄に
市価を生じたが、就中淡島屋のは最も珍重されて菓子袋としては馬鹿げた高価を呼んだ。....
「一癖あるどじょう」より 著者:北大路魯山人
が、柳川産にはそれがない。このめずらしい特色は、今後ますます認識されて、いよいよ
市価を高めてゆくであろう。 柳川どじょうの大もの、五寸ぐらいなのは、蒲焼きに適....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
また豆が安い……」と言って、消費者は喜びます。これを作った百姓の喜びは、やがて、
市価の下落によって反対の悲哀を見なければならない。なぜなら商人は、彼等に対して、....