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「市日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

市日の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
田舎教師」より 著者:田山花袋
町も村もなんとなくにぎやかに豊かになった。料理屋に三味線の音が夜更けまで聞こえ、市日には呉服屋唐物屋の店に赤い蹴出しの娘をつれた百姓なども見えた。学校の宿直室に....
蒲団」より 著者:田山花袋
尺』の名句痛切に身にしみ申候、父よりいずれ御礼の文奉り度|存居候えども今日は町の市日にて手引き難く、乍失礼私より宜敷御礼申上候、まだまだ御目汚し度きこと沢山に有....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
うして所々の縁日の露店があったのだという気がする。田舎《いなか》では鎮守の祭りや市日の売店があった。西洋でもおそらく同様であったろうと想像される。ドイツやフラン....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
ことになりました。こゝから二十二マイルばかり、馬でなら、半時間かゝる、隣りの町の市日に、私をつれて行って、ひとつ見世物にするがいゝ、と、彼は主人にすゝめたのです....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
、此頃の客人気質かも知れぬが、宿屋の為に気の毒な気がした。 下関の村は、月六斎の市日の一つに当る日で、賑うて居た。軒並び覗いて見ても、隅々までも都会化した品物ば....
凍雲」より 著者:矢田津世子
えるのだった。 この町には、七の日毎に市が立つ。老い萎えている町の呼吸が、この市日で、微かに保たれているようである。「五城目の市日」といえば、昔から、この近郷....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
した。 俊夫君が震える手をもって、受け取った名刺は、 歯科医 大村貞三 東京市日本橋区蠣殻町三丁目 右のごときものでありました。俊夫君はしばらくじっと見つ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
館、博物館あるも、いまだ完成せず。晩景に及び帰船せるに、日光丸船長の会主にて、在市日本人三十余名を船中に招き、日本料理をもって饗応せらる。余もその席に連なり、千....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
でも心をそそる光景を示します。まじり気のない日本の生活の勢いが、幾分でもこういう市日で味われます。羽子板などが山と高く掲げられるのも見ものでありますが、酉町の熊....
京都の朝市」より 著者:柳宗悦
、之も朝市での収獲であった。その日私は時間がおくれて九時頃に出かけた。あの弘法の市日で、広い境内に所せまきまでに、品物が拡げてあった。時間は既におそく、帰りがけ....
山の人生」より 著者:柳田国男
を成長せしめたのである。信州南|安曇では新田の市、北安曇では千国の市などに、暮の市日に限って山姥が買物に出るという話があった。山姥が出ると人が散り市が終りになる....
丘の銅像」より 著者:新美南吉
日、丘《おか》の上に、忠犬の銅像《どうぞう》ができあがったというので、村人たちは市日のように、いそいそと、丘《おか》の上にあつまっていきました。銅像《どうぞう》....