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市松模様
「市松模様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市松模様の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
必ずほかの矢よりも高く――ほとんど影も見えなくなるほど高く揚った。それは黒と白と
市松模様《いちまつもよう》の倭衣《しずり》を着た、容貌《ようぼう》の醜い一人の若....
「おもかげ」より 著者:宮本百合子
ながら廊下を足早に歩いた。もすこしで部屋のドアというところまで来たとき、黒と白の
市松模様の床石が足の下ですーんと一遍もち上って急に沈んでゆくような工合になって、....
「道標」より 著者:宮本百合子
廊下を異常な早足で進んだ。もうじき室のドアというところで、伸子は不意に白と黒との
市松模様の廊下の床が、自分の体ごとふわーともち上って、急に下るのを感じた。
....
「午市」より 著者:宮本百合子
するのである。 何しろ人出が多くて、容易に露店の前までは近寄れない。が、大きい
市松模様の虫屋籠を見たり、燈火の上に高く流れる月の光りを照り返すように種々様々な....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
おぼろ夜の空とおぼろ月がかえって本物より効果がいいようである。 情婦ジェニーが
市松模様のガラス窓にもたれて歌うところがちょっと、マチスの絵を見るような感じであ....
「菊人形」より 著者:宮本百合子
板、楽隊の響で、せまい団子坂はさわぎと菊の花でつまった煙突のようだった。白と黒の
市松模様の油障子を天井にして、色とりどりの菊の花の着物をきせられた活人形が、芳し....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
を浴びていた。その他の処は、丸太小屋も、まだ黒い影の中にあって、長い銀色の光線で
市松模様になっていた。小屋の両側には、大きな焚火が燃え尽きて明るい余燼となってい....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
時に、比露子夫人の唯一の手荷物であり、秋田自身で銚子駅迄携えてやった、あの派手な
市松模様のスーツ・ケースではないか※ 「別になにも驚くことはないさ。僕は只、夫人....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
歩きながらそこに現れた。その男は袖に一ぱいコールタールの汚点のついた、赤と黒との
市松模様になった胸のあいたジャケツを着て、水兵ズボンをつけ、ぼろぼろに破れた重そ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
げているのもあります。 また面白いのは虫売で、やはり小屋掛けですが、その障子は
市松模様に貼ってあり、小さな籠が幾つともなく括りつけてありました。さまざまの虫が....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
のでありましょう。 仙台にはまた「八橋織」の名が聞えます。紋綾織の一種で、よく
市松模様などを見かけます。好んで下着などに用いられる品であります。染物では「常盤....