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「市街〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

市街の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
鏡を覗いて見た。ちょうど鏡面《きょうめん》に映《うつ》っているのはこの島の海岸の市街《まち》であろう。小綺麗《こぎれい》な家々の並んだのが見える。並木の梢《こず....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
なら今にも子爵と二人で、過去の霧の中に隠れている「一等|煉瓦《レンガ》」の繁華な市街へ、馬車を駆りたいとさえ思っていた。そこで私は頭を下げながら、喜んで「どうぞ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かが脱ぎ捨てた板草履《いたぞうり》の上へ飛び下りた。そうしてほとんど走るように、市街自動車や電車が通る大通りの方へ歩いて行った。 大通りは彼の店の前から、半町....
或る女」より 著者:有島武郎
あった。きのうの風が凪《な》いでから、気温は急に夏らしい蒸し暑さに返って、横浜の市街は、疫病にかかって弱りきった労働者が、そぼふる雨の中にぐったりとあえいでいる....
或る女」より 著者:有島武郎
の看護婦になっていた。 長く天気が続いて、そのあとに激しい南風が吹いて、東京の市街はほこりまぶれになって、空も、家屋も、樹木も、黄粉《きなこ》でまぶしたように....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
と垂れたまま黙っていた。 国道の上にはさすがに人影が一人二人動いていた。大抵は市街地に出て一杯飲んでいたのらしく、行違いにしたたか酒の香を送ってよこすものもあ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
吹雪《ふぶき》も吹雪、北海道ですら、滅多《めった》にはないひどい吹雪の日だった。市街を離れた川沿いの一つ家はけし飛ぶ程揺れ動いて、窓|硝子《ガラス》に吹きつけら....
星座」より 著者:有島武郎
道に取って返した。 * * * 坂というものの一つもない市街、それが札幌だ。手稲《ていね》藻巌《もいわ》の山波を西に負って、豊平川を東に....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
一と名のつくのが、すでに男らしいことではないか。かつ他日この悪道路が改善せられて市街が整頓《せいとん》するとともに、他の不必要な整頓――階級とか習慣とかいう死法....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ても好意に満ちた心持ちでこの人たちを思いやる。 やがて漁師町をつきぬけて、この市街では目ぬきな町筋に出ると、冬じゅうあき屋になっていた西洋風の二階建ての雨戸が....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
育制度の根本革新)、工業の地方分散等により都市人口の大整理を行ない、必要な部分は市街の大改築を強行せねばなりません。 今日のように陸海軍などが存在しているあい....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ざいました。その時分の鎌倉は武家の住居の建ち並んだ、物静かな、そして何やら無骨な市街で、商家と言っても、品物は皆奥深く仕舞い込んでありました。そうそう私はツイ近....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ず高輪の薩州邸を砲撃し、更らに浜御殿を占領して此処より大城に向て砲火を開き、江戸市街を焼打にすべし云々とて、その戦略さえ公言して憚からざるは、以て虚喝に外ならざ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
は歩いたり、中の馬車も人の出入、半月ばかりの旱続きで熱けた砂を装ったような東京の市街の一面に、一条足跡を印して過ったから、砂は浴びる、埃はかかる、汗にはなる、分....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
こに行くと何といっても面白いものを持っていたようだ。あの必要以上に大規模と見える市街市街の設計でも一斑を知ることか出来るが、米国風の大農具を用いて片っ端からあの....