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布施
「布施〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布施の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
ら、おふくろの墓へ行って、よくその訳をいって拝んで来るがいい」と、親方は幾らかの
布施《ふせ》を包んでくれた。 六三郎はありがたくその
布施をいただいて、午《ひる....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
中の宝玉よ、アーメン《オム・マニ・パードメ・フム》」
と、私は祝福され若干のお
布施をとられた。これで、私の来世がはなはだ良いそうなのである。高僧は、なおも節の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るが、崔は今さら心持がよくないので、後に僧をたのんで供養をして貰って、かの指輪を
布施物にささげた。 その後に変ったこともなく、崔は郡の役人として評判がよかった....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を掘りかえしたが、仏は見付からなかった。彼はまた言った。 「諸人が誠心をささげて
布施物を供えなければ、仏の姿を拝むことは出来ない」 集まっている男女はあらそっ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
にも殊勝な申し分であるので、諸人はいよいよ仏陀の示現と信じるようになって、檀家の
布施や寄進が日ましに多くなった。それに付けても、寺があまりに荒れ朽ちているので、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
無量 率土充洽 山川険谷 幽邃所生 卉木薬艸 大小諸樹 「もし憚ながらお
布施申しましょう。」 背後から呼ぶ優しい声に、医王山の半腹、樹木の鬱葱たる中を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
した御坊様じゃ。推しても行って回向をしょう。ああもしょう、こうもしてやろう、と斎
布施をお目当で……」 とずっきり云った。 「こりゃ仰有りそうな処、御自分の越度....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
銭の恵与を強いしことなし。喜捨する者あれば鷹揚に請取ること、あたかも上人が檀越の
布施を納むるが如き勿体振りなり。 人もしその倨傲なるを憎みて、些の米銭を与えざ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
いただいてその晩は身になる御飯をいたしたのみでなく、長くとどこおっていたお寺のお
布施も済ます事ができまして、涙を流して喜んだのであります。燕も何かたいへんよい事....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に行徳まで流れて来そうもない。 夷※の館山(素藤の居城)というは今も同じ地名の
布施村や国府台に近接する立山であろう。稲村まではかなりの里程があって、『八犬伝』....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
んですけど、背中に掛けておいでなすったもんだから、外して、本堂へ持って行って、お
布施をして、坊さんに授けて貰って来たんです。――これだって女です、巡礼しても、ち....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
仏教の有難い例話などを引いて説教の後に三帰五戒を授けて遣りましたところがめいめい
布施物を上げました。その中に娘が一人居りましたが自分の首に掛けて居る
です。珊....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
派によりてはその他の儀式にも)には、多少の金を僧侶に進呈するを例とす。わが国にて
布施と称するものに同じ。 礼拝のときには、いずれの寺にても必ず賽銭を集むるを例....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
真が供えてあります。その写真は赤坊がお宮参りの晴衣をつけているのです。ある家でお
布施と一緒に渡されたもので、育ち難い弱い子を丈夫に育てたいという親心から、千手観....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ある公使夫人にお会いになりたい許りに、坊さんに扮して公使館を訪ね、夫人の手からお
布施を貰われたというような話も、いまだに一つの逸話として残っているくらいで、とに....