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布片
「布片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐竜島」より 著者:海野十三
りもやや南よりに、やはり筏の上に一人の人間が立って、こっちへむかってしきりに白い
布片《ぬのきれ》をふっていた。距離は二三百メートルあった。 玉太郎は眸《ひとみ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ってくれた。それは本庁から、例の空き缶がここへ届けられたのである。 二重の白い
布片にまかれてあった空き缶は大寺警部の手によって小卓子の上でしずかに
布片を解いて....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ったいないほどの明かりがついた。その下で、彼は紙包を開いた。 すると、絹の焼け
布片がでてきた。彼はそれを無造作にひらいた。こんどは黄金メダルがでてきた。ぴかぴ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
春部は、さっき使った竹竿を再び手にして水面を指す。なるほど、こまかく千切った
布片のようなものが浮いている。 (もしあれが、本当に田川の服の裏地だったとしたら....
「世間師」より 著者:小栗風葉
ある。畳はどんなか知らぬが、部屋一面に摩切れた縁なしの薄縁を敷いて、ところどころ
布片で、破目が綴くってある。そして襤褸夜具と木枕とが上り口の片隅に積重ねてあって....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
あった。 親子は裁縫の師匠をしているので、つい先方弟子の娘たちが帰った後の、断
布片や糸屑がまだ座敷に散らかっているのを手早く片寄せて、ともかくもと蓐に請ずる。....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
プニツキーの右足は、凍傷のため、膝から下を切断されていて、当て木の先には、大きく
布片が結び付けてある。 しかし、事態を悟ったグレプニツキーは、意外にも、安堵し....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で、最初にあの黙示図を憶い出してもらいたいのだ。知ってのとおりクリヴォフ夫人は、
布片で両眼を覆われている。そこで、あの図を僕の主張どおりに、特異体質の図解だと解....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
そして扉の前に立つと、異様な臭気が流れて来て、その腐敗した卵白のような異臭には、
布片で鼻孔を覆わざるを得なかったのである。然し室内には、曽て何人も見なかったであ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
一つの殺人が神経を鈍麻させたかと思われるほど――機械的に動いていって、振子の上に
布片《ぬのきれ》を幾重にも捲き、その先の剣針を歯齦《はぐき》の間に置いて、狙いを....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
で姉を呼び、少しも動じた気色を見せない。 姉のジナイーダは寝台の下にある屎瓶を
布片で覆うてから、悠然と上って来たが、二七、八になるらしい彼女の神々しい美しさに....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
てその棒を網のように搦み付け、その上に敷物を敷いて屍体を載せ、その屍体の上へ白い
布片を被せた儘で人が荷って行くんです。葬式の門出をしますにも今日死んだからすぐに....
「乱世」より 著者:菊池寛
、陣羽織に野袴を穿いて旧式の六匁銃などを持っていたが、右の肩口には、いずれも錦の
布片を付けていた。彼らは、美濃に入ってから、所在に農兵を募った。美濃の今尾、竹越....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
出来ている証拠だ。中央に、一寸ほど低く窪んでいる長方形の箇所があり、そこには赤い
布片などが敷いてあり、その上に陶器の長方形の盆が置いてあり、その上に、金属製の煙....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
、なめつくすようにその中ぶるの箱の中へ押しこんで。 自動車は、また、八寸置きに
布片の目じるしをくゝりつけた田植縄の代りに木製の新案特許の枠を持って来た。撥ね釣....