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帆木綿
「帆木綿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帆木綿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
は川下から、一二|艘《そう》ずつ、引き潮の川を上って来る。大抵は伝馬《てんま》に
帆木綿《ほもめん》の天井を張って、そのまわりに紅白のだんだらの幕をさげている。そ....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
始めて気がついた時は人間とは思わなかった。向うの柱の中途から、窓の敷居へかけて、
帆木綿《ほもめん》のようなものを白く渡して、その幅のなかに包まっていたから、何だ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
めん》ネルの洗いざらしを申し訳に背中だけへ乗せているのがある。そうかと思うと白の
帆木綿《ほもめん》に黒い縁《ふち》をとって胸の真中に花文字を、同じ色に縫いつけた....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ボースンの荷物は、布団《ふとん》一枚と毛布一枚との包みが取りとめられた。そして、
帆木綿《ほもめん》の袋の方は流れた。そして、一切は残るくまなく完全にぬれてしまっ....
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
北の両側に、雪が築き上げられたように多くて、高さは一丈もあろう、それが表面は泥で
帆木綿のように黒くなっているが、その鍵裂きの穴からは、雪の生地が梨の肌のように白....
「みちの記」より 著者:森鴎外
錯す。つくりつけの木の腰掛は、「フランケット」二枚敷きても膚を破らんとす。右左に
帆木綿のとばりあり、上下にすじがね引きて、それを帳の端の環にとおしてあけたてす。....
「春昼」より 著者:泉鏡花
合わせるように響いたと言います。 そうすると、」 「はあ、はあ、」 「薄汚れた
帆木綿めいた破穴だらけの幕が開いたて、」 「幕が、」 「さよう。向う山の腹へ引い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かがり》で、そこらは白昼のよう。前には小流れがあって、背後《うしろ》に山を負うて
帆木綿《ほもめん》の幕屋。 この谷間の、この部分だけは白昼のように明るいけれど....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
。と学校の帰りにやあらん。年ごろはおのおの十五ばかりなる二三人の少年。一人は白き
帆木綿《ほもめん》のかばんをこわきにかい込み。毛糸織りの大黒頭巾《だいこくずきん....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
到底行って見たところが駄目なんです。それから例のツクツク(裏は赤き羊毛、表は厚き
帆木綿のごとき切布にて製したる四布蒲団のごときものにて目方はおよそ三貫目位のもの....