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師家
「師家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
師家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たのような悪人にならなければ、生きてはおられませぬ」 三 恵林寺《えりんじ》の
師家《しけ》に慢心和尚《まんしんおしょう》というのがあります。 恵林寺が夢窓国....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
病める師匠の心を安んずるには、男女名取総員の盟約を完成するに若くはないと思って、
師家と男名取らとの間に往来して調停に努力した。 しかし勝三郎は遂に釈然たるに至....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
の弊風が天下を吹きめぐって我国固有の美風良俗が地を払って行く中に毅然として能楽の
師家たる職分を守り、生涯を貫いて倦まず。悔いず。死期の数刻前までも本分の指導啓発....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。台所では誰やら水仕事をしているらしい。 「塩山の恵林寺へ参りましてな、あそこの
師家《しけ》の慢心和尚に、相談をかけようと致したが、和尚に追い出されて、またスゴ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
った。 「お前に用のないものが、俺に入用なとでも思っとるのか。うつけもの奴が。」
師家のお役に立たなかった小指は、またもとの持主に帰らねばならなかった。甚斎とその....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、憚りながらそうではない。我ながらちょっとしおらしいほどに思う。かつて少年の頃、
師家の玄関番をしていた折から、美しいその令夫人のおともをして、某子爵家の、前記の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
術が一家、柔術が一家で、これだけ明教館に附属した所に設けられて、各指南した。この
師家には人々の望によって、自由にどこへでも入門することが出来た。馬術は木馬の型ば....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
のである。 これが馬庭の里人の仕でかしたたった一度の騒動であるが、これも念流と
師家に対する尊敬の厚きがためである。馬庭の土と念流とが彼らの人生の全てなのだから....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
随分派手を尽したのであるから、以前に較べてこの頃の不如意に、したくても出来ない
師家への義理、紫の風呂敷包の中には、ただ清書と詠草の綴じたのが入っているばかりの....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
木村をあとにして、雲水の旅に出かけた。 まず、美濃の国中で評判の寺々を歴訪して
師家と名の付く老僧たちに会い、疑いのあることは問い、修業の方針を教えられたりした....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
さではあるまいか、師へ対しても恥のうわ塗りではござるまいか。――さもあらばあれ、
師家は絶滅、吉岡道場は離散、この上、恥も外聞もあろうかと、武門を捨てた気とあらば....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
では吉岡門の祇園藤次が……」 唖然としたまま、武蔵は、後のことばも出なかった。
師家の傾く前に、藤次は、道場の普請にと集めた金を持って、お甲と駈落ちしてしまい、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
地もございません」 「…………」 話はそこで断れて、幾人もの若い眸は、断絶した
師家の怨みを、落葉の煙の中に悲痛に見つめ合っていた。 「で? ……」 新蔵は火....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
向いた。 「ちと……念願の筋がござりまして、宝蔵院の下郎に住み込みましたなれど、
師家の面目、また、自分の恥。……どうか御内分に」 「いや何、さらさら御事情を伺お....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
やら、これを究めんとしても私にはまだその能が無いが、とにかくに或る一人の優れたる
師家が指導すれば、たちまち翕然として時代の風をなすまでに、貞享・元禄の俳感覚は活....