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帯ぶ
「帯ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帯ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
は光鈍し。たゞ何心なく他を眺《ながむ》る眼にしては甚《はなは》だ凄味《すごみ》を
帯ぶ。 妙な奴《やつ》だと自分も見返して居ること暫《しば》し、彼は忽《たちま》....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、扉を足に頭を奥の帷幕に向けて、仰臥の姿勢にて横たわれり。相貌には、やや悲痛味を
帯ぶと思われる痴呆状の弛緩を呈し、現場は鎧扉を閉ざせる薄明の室にして、家人は物音....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
なり、いやしくも熱きものみな火なりというはその誤れるや明白なり。湯にしてやや冷を
帯ぶるものを見、これを指して水なりといい、水にして少しく熱を含むものを見、これを....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
蝋燭を吹消さずに逃去りしと見え燭台の頂辺に氷柱の如く垂れたる燭涙は黒き汚れの色を
帯ぶ、個は蝋燭の自から燃尽すまで燃居たるしるしなり。 総て是等の細き事柄は殆ど....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、歎いては不可ん。悲しんでは不可んと云うのです。 美女 貴方。(向直る。声に力を
帯ぶ)私は始めから、決して歎いてはいないのです。父は悲しみました。浦人は可哀がり....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、と居直った声が曇った。 また魅せられたような、お町も、その端へ腰を下して、世
帯ぶった手捌きで、白いを取ったは布巾である。 与五郎、盆を前に両手を支き、 「....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、散りぢりに、血は俎の上と、鷺の首と、おのが掌にたらたらと塗れていた。 媼が世
帯ぶって、口軽に、「大ごなしが済んだあとは、わしが手でぶつぶつと切っておましょ。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
忽ち枝より飛び下る。形は山賤の木樵にして、翼あり、面は烏天狗なり。腰に一挺の斧を
帯ぶ)御矢をばそれへ。――(女の童。階を下り、既にもとにつつみたる、錦の袋の上に....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ヲンで、電磁石の発見をした。鉄心を銅線で巻き、銅線に電流を通ずると、鉄心が磁気を
帯ぶるというのである。 かく、電流を用いて磁気を発生することが出来るからには、....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
用の糧を与えたまえ。(銀紙に包んだものを探り出す)我らに(銀紙を開きながら喜色を
帯ぶ)日用……糧を……我らに日用の糧を……(急におどり上がって手に持った紙包みを....
「妖怪学」より 著者:井上円了
って便なるところの事情なるを知るべし。 まず第一に、手を清むるときは手に湿気を
帯ぶるをもって、いたって塵毛の粘着しやすき事情あり。第二に、手を静かに保つときは....
「迷信解」より 著者:井上円了
形|鼬に似て鼬より小さく、その尾は鼠より短くして毛あり、その色、鼠色にして黄色を
帯ぶと申すが、つまりオサキの同類に相違ない。その地方に精神病に似たる病者あるとき....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
ただに皇室の近き護りとして使役されましたばかりでなく、遠く九州の海岸防禦の任務を
帯ぶる防人として送られます。また貴紳豪族に仕えて、忠誠なる従者ともなります。東人....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
なるものあらず。ゆえに、この間に生長せる人民は、その心またおのずから勇猛の気風を
帯ぶるに至るべし。かの米人の百折不撓、耐忍不抜の精神は、全くこの感化によらざるは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
するの思いあり。その壮快実に極まりなし。ときに夕日高く北天に懸かり、多少の雲煙を
帯ぶ。同行とともにシャンパンを傾け、万歳を呼びて帰る。その絶壁を上下する石径の険....