帰り際[語句情報] »
帰り際
「帰り際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰り際の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
/\日の暮れるまで仕事をして、早出《はやで》居残りと云うのでございます。職人方が
帰り際には台所で夕飯時《ゆうめしどき》には主人が飯を喫《た》べさせ、寒い時分の事....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
、ピー/\風でさむさ橋に出て居ても、見て貰い人《て》もないかしてもう帰って来た、
帰り際に早いから屹度《きっと》寄るぜ」 浪「えゝ御免を」 金「はい」 浪「....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
なことは、口に出す勇気さえなかった。俺は、手持無沙汰になって帰ろうとした。そして
帰り際に、 「英国の近代劇の研究には、どんな参考書がいいでしょうか」ときいた。す....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
にしろ自分の殆《ほと》んど全部の生涯を犠牲にしている。須山や伊藤などゝ会合して、
帰り際になると、彼等が普通の世界の、普通の自由な生活に帰ってゆくのに、自分には依....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
等と罵り立てる。十時近い頃青年は病的なりに生々した顔付きで兄の家へ帰って行った。
帰り際に青年は少しおどけた顔付きで「あ、しまった、お隣にゃあアサ、ソウ(麻川荘之....
「河明り」より 著者:岡本かの子
すなら見物さして頂きたいのですが」 その晩、私たちをホテルまで送って来た社長は
帰り際に「そうだ、護謨園の生活を是非見て貰わなくちゃ、――一晩泊りの用意をしとい....
「父帰る」より 著者:小林多喜二
そして半分テレながら、赤ん坊の頬ぺたを突ッついたりして、大きな声を出して笑った。
帰り際に、 「これで俺も安心した。俺の後取りが出来たのだから、卑怯な真似までして....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
いて新しく語るべきものを持って帰りました」 「お土産ですか」 「正にお土産です。
帰り際になると、私は女執事からこのような立派なダイヤ入りのブローチを貰いました。....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
う」 市「いや貴方は由兵衞さんとか仰しゃったね……あの折は永え間お目に懸り、また
帰り際には飛んだ御馳走になりまして、何んとハアお手当をね沢山に遣ってくれろと云っ....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
とした卑下した態度、むしろ彼女を避けるような態度を取っていた。哲夫の勉強がすんで
帰り際に、お鮨でもと言って茶の間に呼ばれても、何かの口実を設けて、さっと帰ってゆ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
いるではないか」 エンゼルは帽子をつかむと、サッと立って、悠々と帰って行った。
帰り際だけは、どうやら一人前だと長平は思った。良いところは、それだけだった。 ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
して、釣瓶からは玉のような水がこぼれ出した。 「ほう、良い水……」と、お菊の母は
帰り際に井戸側へ寄った。 「深いので困ります」と、お仙はいった。 「山の手の井戸....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
くを傍らにおわします弗函の代表者顔へ紙幣貼った旦那殿はこれを癪気と見て紙に包んで
帰り際に残しおかれた涎の結晶ありがたくもないとすぐから取って俊雄の歓迎費俊雄は十....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
そうして頭を冷す薬と、桂梅水とを服用するようにと云って、いやそうに頭を振って、立
帰り際に、もう二|度とは来ぬ、人の気の狂う邪魔をするにも当らないからとそう云った....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
を頭下げつつ答えけるが、如才なきお吉はわが夫をかかる俗僧にまでよく評わせんとてか
帰り際に、出したままにして行く茶菓子とともに幾干銭か包み込み、是非にというて取ら....