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帰京
「帰京〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰京の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
、何か忌々《いまいま》しい動揺が起ろうとしているように思えた。実際をいうと、園は
帰京せずに、札幌で静かに父の死を弔《とむ》らいもし、一家の善後ということも考えて....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いわゆる「あの人」であった。ひょッとしたら、これがすなわち区役所の役人で、吉弥の
帰京を待っている者――たびたび花を引きに来るので、おやじのお気に入りになっている....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
間早く請求、これでようやく力を出して取出すことが出来た。 中川君、昨日広島より
帰京している筈のところ、今日夕刻に至るも、まだその姿を見せず。昨日の空襲で豊橋―....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
女探偵の悒鬱 「離魂の妻」事件で、検事六条子爵がさしのばしたあやしき情念燃ゆる手を、ともかくもきっぱりとふりきって
帰京した風間光枝だったけれど、さて元の孤独に立ちかえってみると、なんとはなく急に....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
鷹丸探険隊が、一足お先に手柄をたててしまったことになった。 お母さんは、丁坊の
帰京を、ゆめかとよろこんだ。おなじ心配をしていた吉岡清君もその妹ユリ子もすぐ丁坊....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
一生となり、路用も遣い果して難渋窮まりしを伯父が救いて全快させしうえ路用を与えて
帰京させたれば、これを徳として年々礼儀を欠ず頼もしき者なればとて、外に知辺もなけ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
…… 「いらっしゃいまし、ようこそ。――路之助も一度お伺い申したいと、いいいい、
帰京早々|稽古にかかって、すぐに、開けたものでございますから、つい失礼を。……今....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、一ヶ所、野三昧の小屋があって、二人が火を焚いていそうでならない。 八郎はまだ
帰京せぬ。 ――細君は煩っているのである。 昭和二(一九二七)年四月....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
ど、二十八日には哲学館に遠足会あるはずなりしをもって、ついにその意を果たさずして
帰京せり。(未完) 以上は、このたび郡内に起これる怪事の実況なるが、これよりい....
「妖怪学」より 著者:井上円了
西京にありし夢 二種 熱海にありし夢 十四種(うち七種は
帰京の後の夢なり) 他の地方にありし夢 十種 諸方混同したるもの ....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
周を企てまして、昨年十一月以来、各県下を旅行いたしておりました。このごろちょっと
帰京して参ったので、いずれ四、五日中には再びこの地を出立して、山陰道諸県下を巡回....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
型であると想像していたと反して、私は初めから爾うは思っていなかった。 秋の末に
帰京すると、留守中の来訪者の名刺の中に意外にも長谷川辰之助の名を発見してあたかも....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
尾銅山に足を伸ばした。ところが足尾についてみると、東京が大変だというのであわてて
帰京した。二、三日池袋の建設者同盟本部に身を寄せていたが、たまたま一年志願で入営....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
疲れきってしまい、健康を害している夫人は私という道づれが出来たのを幸いに、一緒に
帰京して少時保養することになりました。その準備に忙しい時でした、白石書記生が
帰京....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
もなく私は路地にある富岡紙ばこ屋の注文とりも始めた。なにしろたった二畳とはいえ、
帰京以来初めての独立の安息所である。うれしかった。私は心身ともに張切って矢でも鉄....