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「帰宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
、その序《ついで》に、当時|西丸《にしまる》にいた、若年寄の板倉佐渡守を訪うて、帰宅した。が、別に殿中では、何も粗※《そそう》をしなかったらしい。宇左衛門は、始....
星座」より 著者:有島武郎
のにはなる気づかいはないという諦めも働いていないではなかった。おまけに新井田氏の帰宅が近づいているのも考えの中に入れなければならなかった。 ちょうどその時、渡....
婦系図」より 著者:泉鏡花
歩行き出したので、たじたじと後を慕うて、 「どちらへ?」 「俺か。」 「ずッと御帰宅でございますか。」 知れ切ったような事を、つなぎだけに尋ねると、この答えが....
古狢」より 著者:泉鏡花
。 縦通りを真直ぐに、中六を突切って、左へ――女子学院の塀に添って、あれから、帰宅の途を、再び中六へ向って、順に引返すと、また向うから、容子といい、顔立もおな....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
通は追懐の涙を灌ぎ、花を手向けて香を燻じ、いますが如く斉眉きて一時余も物語りて、帰宅の道は暗うなりぬ。 急足に黒壁さして立戻る、十|間ばかり間を置きて、背後よ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
お酌だ。」 いかがな首尾だか、あのくらい雪にのめされながら、割合に元気なのは、帰宅早々婆さんを使いに、角店の四方から一升徳利を通帳という不思議な通力で取寄せた....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
「はい、唯今。」 二段ばかり少年は壇階子を昇り懸けて、と顧みて驚きぬ。時彦は帰宅して、はや上口の処に立てり。 我が座を立ちしと同時ならむ。と思うも見るもま....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ているのか判らなくなって来た。この問答はそのまま沙汰止みになって、お客たちはもう帰宅する時刻だとは思いながら、筋肉にこびりついた懶い疲労にがっかりして、暫くそこ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ばかりでも、奥方様、お身のまわりへは、寒い風だとて寄ることではござりませぬが、御帰宅の後はおこころにかけられて、さきざきお尋ね遊ばしてお上げなされまし、これはそ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
冷く、涼く、たらたらと腕に掛る。 …………小松原は、俯向けに蒼沼に落ちた処を、帰宅のほどが遅いので、医師が見せに寄越した、正吉に救われた。 車夫は沼の隅の物....
星女郎」より 著者:泉鏡花
の人こそ、坂口で手を掉って、戻れ、と留めてくれたそれでしょう。 (どうぞ、無事に帰宅の出来ますように、御心配を願います、どうぞ。) と方なしに頭を下げた。 (....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
たらしい美女に辞して、袂を分ったが、獅子の飛ぶのに足の続くわけはない。 一先ず帰宅して寝転ぼうと思ったのであるが、久能谷を離れて街道を見ると、人の瀬を造って、....
座右第一品」より 著者:上村松園
とやと思いますと、そのままでやめてしまうのが大変心残りに思われ出しまして、その晩帰宅して紙を継ぎ足して又その翌日その続きを写しにいったりしたことがあります。 ....
妖怪報告」より 著者:井上円了
来せしやと疑いながらただちに披封すれば、なんぞはからん、「父大病につき、ただちに帰宅せよ」と、親戚某より寄するところの電報なり。愕然、大いに憂懼す。しかれども、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
き風景なし。これを一言すれば殺風景なり。わが国の野外とは雲泥の相違あり。午後四時帰宅す。夜に入りて天ようやくはれ、一輪の秋月北天に懸かる。詩思おのずから動く。 ....