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「帰府〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰府の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うに暮らしているうちに、三年の月日はいつか過ぎて、佐藤は江戸へ帰ることになった。帰府の道中も同道しては人目《ひとめ》に立つので、お近は一と足おくれて帰って来て、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
中で、押込みは流行る、辻斬りは流行する。放火は流行る。将軍家は二月に上洛、六月に帰府、十二月には再び上洛の噂がある。猿若町の三芝居も遠慮の意味で、吉例の顔見世狂....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を征伐いたすべきや。 「関東の事情切迫につき、英艦|防禦のため大樹(家茂のこと)帰府の儀、もっともの訳がらに候えども、京都ならびに近海の守備警衛は大樹において自....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
因循にうち過ぎ、外夷拒絶談判の期限等にいたるまで叡聞を欺きたてまつる。あまつさえ帰府の儀を願い出づるさえあるに、石清水行幸の節はにわかに虚病を構え、一橋中納言に....
丹下左膳」より 著者:林不忘
十四名を血載した帳面を懐中《ふところ》に、巷勇《こうゆう》蒲生泰軒がひさしぶりに帰府した夕べ、十七人に減じられた月輪組とつづみの与吉は、まだうしろを振り返りなが....
丹下左膳」より 著者:林不忘
がし候《そろ》。さて、小生こと明日《みょうにち》出発。埋蔵金を掘りにまいる所存、帰府のうえ、その財産をそっくり持参金として、おん身のもとへ押しかけるべく候《そろ....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
逢い、右内が変死の事と、其の事より沼田の百姓角右衞門に五十両貰い受け、支度をして帰府致した事を知らせようと右内の家を捜しますと、近辺の者の申すには、おかめは宇之....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ばしてから蔭膳の日も早や十年でござります。柳営では隠密役御法則をふんで、十年|御帰府なき父上を死亡と見なし、権現様以来の甲賀家も遂に断絶の日が近づきました―― ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
い! 一角はこの嘲笑と徒労を知らずに死んだ幸福者! さらば、余は急がねばならぬ、帰府のゆくてには出世の栄座と恋人と新しき屋敷とが待っているので! 去るにのぞんで....
三国志」より 著者:吉川英治
、孫権は、彼の老母へといって、衣服や帷帳を贈った。 魯粛はその恩に感じ、やがて帰府するとき、さらにひとりの人物を伴ってきて、孫権に推薦した。 この人は、漢人....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いらせて」 「そうか。だが上杉殿は、先ごろ六波羅|解番(解任)となって、鎌倉表へ帰府したはず。……すると近日、愛し子の顔を見られるのじゃな」 「ただ愉しみはそれ....