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帰来
「帰来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
い笑いいいました。 「さぞ暑かったでござりましょう。昨日来、拙者は心してご貴殿の
帰来をお待ちうけしていたところでござりますから、お気安くおくつろぎくださるように....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
つ以外になかったので、右門はお組屋敷へ引き下がると、じっくり腰をすえながら、その
帰来を待ちわぴました。 やがて、その三日め――首を長くして待っていると、ふうふ....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
だいぶ儲かるぞ。」 青い大麦や、小麦や、裸麦が、村一面にすく/\とのびていた。
帰来した燕は、その麦の上を、青葉に腹をすらんばかりに低く飛び交うた。 測量をす....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
て草の中に寝転んだ。まるで花の臥床だ。谷の百合は一名を君影草とも言って、「幸福の
帰来」を意味するなどと、花好きなB君が話した。 話の面白い美術家と一緒で、牧場....
「蓮香」より 著者:田中貢太郎
けた。 「あ」 そこで燕児をつくづく見た。桑は笑って、 「これかつて相識るの燕
帰来に似たり」 と晏殊の春恨詞の一節を口にした。すると女は泣いて言った。 「そ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
に徹底したものであったかは、後年観世流を学んでいた吉村稱氏が翁の歿後一度上京して
帰来するや、 「福岡の観世流は間違っている。皆只圓先生の真似をして喜多流の節を謡....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
水汲んで含嗽し、衣を改めて芝浦、愛宕山、九段、上野、待乳山などに初日の出を拝し、
帰来屠蘇雑煮餅を祝うて、更に恵方詣をなす、亀戸天神、深川八幡、日枝神社、湯島天神....
「連環記」より 著者:幸田露伴
に見えたことであろう。寂心は世を哀み、世は寂心の如き人を懐かしんでいた。寂心娑婆
帰来の談の伝わった所以でもあろう。勿論寂心は辟支仏では無かったのである。 寂心....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
一年にわたる「新世界巡礼」は、ここに諸君の御後援によってENDを全うするを得た。
帰来僕は、一そう印象の沈澱するを待って、亜米利加風に言えば「|古い町に鼠を起し」....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
は目下ピカデリイのパアク・レイン・ホテルに宿泊中。ちなみに近日|蘇格蘭土に遊び、
帰来六月下旬まで滞英の由。 ついでだが、この新聞はなかなか奇抜で、じつによくロ....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
ていた。この縁側は阿彌陀寺の裏手の小さな庭を見下しているのであった。芳一は住職の
帰来を待ち、琵琶を練習しながら自分の孤独を慰めていた。夜半も過ぎたが、住職は帰っ....
「取舵」より 著者:泉鏡花
頸を竦め、肩を窄めて、 「はい、はい、はい。」 中 甲板より
帰来れる一個の学生は、室に入るよりその溽熱に辟易して、 「こりゃ劇い!」と眉を顰....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の冑 想見る当年怨毒の深きを 曳手・単節 荒芽山畔路叉を成す 馬を駆て
帰来る日|斜き易し 虫喞凄涼夜月に吟ず 蝶魂|冷澹秋花を抱く 飄零暫く寓す神仙の....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
たとか、会計はその女の前に膝を折って謝罪したとか、と。 アンドレイ、エヒミチは
帰来早々まずその住居を尋ねねばならぬ。 『不遠慮な御質問ですがなあ君。』と郵便局....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 昭和二年の晩秋、伊勢神宮に参拝のとき、国威西方に燦然として輝く霊威をうけて
帰来。私の最も尊敬する佐伯中佐にお話したところ余り良い顔をされなかったので、こん....