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「帰船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰船の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
しろ》くなく、帰ったならば、案外また、あなたに逢えるかとも思うと、四時頃からもう帰船しました。 午前中の甲板には、銭拾いの土人達が多勢、集まって来ていて、それ....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
げようかね」といって、医者は、診断書を書いて渡した。 「どうもありがとう、いずれ帰船して、相談いたしましてから」 三人は、礼を言って、ボーイ長は、波田に負われ....
上海された男」より 著者:牧逸馬
し、し、し、し」と一人が真似した。 梯子《ジャコップ》が巻上げられた。 「|皆帰船したか《オウル・アブロウド》?」と舵子長《マスタア》が船橋《ブリッジ》から呶....
孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
のだから妾は貴方をわるくは思わないと彼女が云った。 5 私が室蘭丸に帰船したのは午前三時に近かった。船はルビー色の飾をつけて静かに横わっていたが突然....
火薬船」より 著者:海野十三
マン船長の怪力を知らない者は、窒息しそうになったくらいである。 「おい、みんな。帰船だ」 事務長は、そういって、ノルマン船長に、型ばかりの挙手の礼をおくると、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
土族の市場を見、郊外の国境を越えてちょっとすぺいん領へ這入り、山下の道を一巡して帰船する。 出港後間もなく、岬をかわしたところで、横浜からマルセイユを経て来て....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
て私と東六とだけが後へ残されて了いました。 そのうち東六も恐ろしくなったか私に帰船を進め出しました。併し私は帰りませんでした。「何者か正体を見届けてやろう」―....
海豹島」より 著者:久生十蘭
まで行き、そこから陸路帰庁するつもりで、船長室の煖炉の傍に坐っていたが、まもなく帰船した部下の報告によって、この島に椿事のあったことを知り、予定した行動をとるこ....
西航日録」より 著者:井上円了
灯光上下点々、あたかも蛍火を見るがごとき観あり。今夕、福島将軍入港の報あれども、帰船後にして相会するを得ず。二十九日暁天解纜、西南に向かいて進行す。船客みな夏装....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
有馬憲文氏を訪問す。親鸞上人御忌執行中なるも、好意にて別杯を具せらる。夜に入りて帰船す。 七日、晴れ。午後五時解纜す。崎陽三十六湾、春色を装ってわが行を送る。....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
においては、余は一行の生命を保し難き旨をもってした。けだし、潮が干き終らない前に帰船するためには、即座に出発して漸《ようや》く間に会うくらいであったから」。生命....
ダルマ船日記」より 著者:山之口貘
茶の半斤と、糠味噌漬にする胡瓜と菜っ葉とを買い、こころもち船乗り気分に酔いながら帰船。直ぐに六さんは、蝶ネクタイを解き、折り目のあざやかな紳士めいたズボンを脱ぎ....