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帰雁
「帰雁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰雁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
て来た。その椿の葉には二枚とも、虫の食った跡《あと》が残っている。それが一つには
帰雁《きがん》とあり、一つには二とあったそうじゃ。合せて読めば
帰雁二《きがんに》....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
が血を滴らせ、壺菫が郊外で咲くようになった。 間もなく桜が咲き出した。そうして
帰雁の頃となった。 或日宗春は軽装し、愛妾お半の方を連れ、他に二三人の供を従え....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
七歳時代) 夕附日荻のはこしにかたむきて ふく風さむしのべのかよひ路
帰雁 桜さくおぼろ月夜にかりがねの かへるとこよやいかにのとけき ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
大きくふくらんでくるのを見ては、春の花のすべてを見ずに行くことが心残りに思われ、
帰雁のように霞の山を捨てて行く先は、自身の家でもないことが不安で、宮の愛が永久に....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
っている二人の頭上には、練り絹に包まれたような朧ろの月がかかってい、その下辺を、
帰雁の一連が通っていた。花吹雪が、二人の身を巡った。 「勘兵衛!」と、不意に老人....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
すでに幾人《いくたり》かの生血を知っている水心子正秀《すいしんしまさひで》の作、
帰雁《きがん》の一刀を腰にぶち込んで、忍びやかに方来居を立ちいでようとした。 「....