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「帳台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帳台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
火と燃えて、消ゆるばかりぞ命なる。 下 夜、袈裟《けさ》が帳台《ちょうだい》の外で、燈台の光に背《そむ》きながら、袖を噛んで物思いに耽って....
死者の書」より 著者:折口信夫
穆々たる宮の内の明りは、ほのかな香気を含んで、流れて居た。昼すら真夜に等しい、御帳台のあたりにも、尊いみ声は、昭々と珠を揺る如く響いた。物わきまえもない筈の、八....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
――なお、この際お申込みの方には特に景品と致しまして――」 前に、やはり錦襴の帳台を置いて、その上におびただしい絵像の巻物を積み重ねながら、要するに衆生済度の....
源氏物語」より 著者:紫式部
けて出た。 はいって来た源氏は、外にだれもいず一人で女が寝ていたのに安心した。帳台から下の所に二人ほど女房が寝ていた。上に被《かず》いた着物をのけて寄って行っ....
源氏物語」より 著者:紫式部
う》さんの室へ来ていらっしゃい」 と言って、馴《な》れたことのように女王さんを帳台の中へ抱いてはいった。だれもだれも意外なことにあきれていた。乳母は心配をしな....
源氏物語」より 著者:紫式部
目に真先《まっさき》に見えるものは西の対の姫君の寂しがっている面影であった。夜は帳台の中へ一人で寝た。侍女たちが夜の宿直《とのい》におおぜいでそれを巡ってすわっ....
源氏物語」より 著者:紫式部
ぼうぜん》として朝になってもそのまま御寝室にとどまっていた。御病気を聞き伝えて御帳台のまわりを女房が頻繁《ひんぱん》に往来することにもなって、源氏は無意識に塗籠....
源氏物語」より 著者:紫式部
ていて、脇息によった姿は絵のようであった。源氏は哀れでたまらないような気がした。帳台の東寄りの所で身を横たえている人は前斎宮でおありになるらしい。几帳の垂《た》....
源氏物語」より 著者:紫式部
。泣き合い笑い合うこともあった侍従がいなくなってからは、夜の塵《ちり》のかかった帳台の中でただ一人寂しい思いをして寝た。 源氏は長くこがれ続けた紫夫人のもとへ....
源氏物語」より 著者:紫式部
ね」 戯れを言うのでもこの人に対してはまじめな調子にされてしまう源氏であった。帳台の中の床を源氏に譲って、夫人は几帳を隔てた所で寝た。夫婦としての交渉などはも....
源氏物語」より 著者:紫式部
堆積した苦悩と、今夜の酒の酔いで私はもう何もわからなくなった」 と酔いに託して帳台の内の人になった。宰相中将は夜の明けるのも気がつかない長寝をしていた。女房た....
源氏物語」より 著者:紫式部
なるのであった。六条院でもその準備がされて、若菜の賀に使用された寝殿の西の離れに帳台を立て、そこに属した一二の対の屋、渡殿へかけて女房の部屋も割り当てた華麗な設....
源氏物語」より 著者:紫式部
内いたしましょう。院がおいでにならぬ晩はお几帳のまわりに女房がたくさんいます。お帳台には必ずだれかが一人お付きしているのですから、どんな時にそうしたよいおりがあ....
源氏物語」より 著者:紫式部
六条院はお話しになって、 「失礼な場所でございますが」 と、宮のお寝みになった帳台の前へお敷き物の座を作って法皇を御案内された。宮を女房たちがいろいろとお引き....
源氏物語」より 著者:紫式部
製された花机の被いは鹿の子染めを用いたものであるが、色も図柄も雅味に富んでいた。帳台の四方の帷を皆上げて、後ろのほうに法華経の曼陀羅を掛け、銀の華瓶に高く立華を....