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帳簿
「帳簿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帳簿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
中の大机には白い大掛児《タアクワル》を着た支那人《シナじん》が二人、差し向かいに
帳簿を検《し》らべている。一人《ひとり》はまだ二十《はたち》前後であろう。もう一....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
また月給日に主計部へ月給を貰いに行った。あの主計官は忙《いそが》しそうにあちらの
帳簿《ちょうぼ》を開いたり、こちらの書類を拡《ひろ》げたりしていた。それが彼の顔....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
の中に紅毛人の男が一人ぼんやりと机に向っている。電灯の光の落ちた机の上には書類や
帳簿や雑誌など。そこへ紅毛人の子供が一人勢よく戸をあけてはいって来る。紅毛人はこ....
「或る女」より 著者:有島武郎
》ほどいますか日本の女は」
と問いかけた。事務長は例の塩から声で
「さあ、まだ
帳簿もろくろく整理して見ませんから、しっかりとはわかり兼ねますが、何しろこのごろ....
「親子」より 著者:有島武郎
ほとほと気息づまるように見えた。 食事が済むと煙草を燻らす暇もなく、父は監督に
帳簿を持って来るように命じた。監督が風呂はもちろん食事もつかっていないことを彼が....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
中はまだ宵のうちのせいか、だいぶん混み合っていた。どこに支店長がいるのかと、僕は
帳簿が沢山並んだ間に点在する銀行員を見廻した。すると室の中央に突立っていた年配の....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
から出てきて、こっちを向いて叮嚀に挨拶をすると、薬瓶の沢山並んだ部屋から、大きな
帳簿をもって来た。帆村がそれを開いたのを見ると、細い罫線が沢山引いてあって、そこ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ったように悠々閑々と咄していた。 只見ると、持出された書類函が重なって、中から
帳簿が喰出していた。四方が真黒に焦げたカード箱が投出されてる傍には、赤く焼け爛れ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
事件がないせいか、どうも腸の工合がよろしくない。 ばたんと机に音がして黒表紙の
帳簿《ちょうぼ》が課長の前に置かれた。「事件|引継簿《ひきつぎぼ》第七十六号」と....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、銀行からは、体よく断られてしまった。どうも、サインが前のものと違っているから、
帳簿に乗っているとおりのものを思い出してくれというのであった。 彼は、かーっと....
「火薬船」より 著者:海野十三
その夜ふけてのことだった。 丁度虎船長は、明日積荷を売るについて、その準備に、
帳簿と書類の間にうずもれて、きりきりまいの最中だった。そこへ、当直の二等運転士が....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
、じっと見送った。 川上機関大尉の失踪事件は、こうして、未解決のまま、よくない
帳簿の上に永く記録せられることになったのだ。 飛行島の影は、謎を包んだまま、ず....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ろへかえってきた。 なぜそんなことになったか。 その間の消息はのちに、帆村が
帳簿の間から発見した大辻の手記によって明らかになった。それには鉛筆の走り書でこう....
「瘤」より 著者:犬田卯
て、応接間に二人の役人を招じ、さて金庫を背に、例の人を威嚇するような音声で「この
帳簿に記載してある通り基本財産は一文も缺けずこの中に入っている。それはこの俺が首....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
婚の誓文を誦す。儀式の時間およそ三十分なり。終わりて住職の休息室に至り、おのおの
帳簿に記名して結婚を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝餐の席につ....