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帷帳
「帷帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帷帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
ォルテーアの謳ったように、神の声と共に渾沌は消え、闇の中に隠れた自然の奥底はその
帷帳を開かれて、玲瓏たる天界が目前に現われたようなものであったろう。フォークトは....
「白菊」より 著者:夢野久作
しい金モールと緋房を飾った紫緞子の寝台が置いてあって、女王様のお寝間じみた黄絹の
帷帳が、やはり金モールと緋房ずくめの四角い天蓋から、滝の水のように流れ落ちている....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
、幾束も幾束も上げてあるのが皆を不思議がらせた。それからその仏壇の奥の赤い金襴の
帷帳を引き開いてみると、茶褐色に古ぼけた人間の頭蓋骨が一個出て来たので皆……ワア....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
七宝細工かと思われる贅沢な寝台が在る。金糸でややこしい刺繍の紋章を綾取った緋色の
帷帳がユラユラと動いたと思うとサッと左右に開いた。その中の翡翠色の羽根布団を押除....
「死者の書」より 著者:折口信夫
よりも、郎女の為には、帳台の設備われている安らかさ。今宵は、夜も、暖かであった。
帷帳を周らした中は、ほの暗かった。其でも、山の鬼神、野の魍魎を避ける為の灯の渦が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かべ》に色の塗ってある大きな寝室、縁※形《ふちくりがた》に金の塗ってある化粧室、
帷帳《いちょう》や大きな肱掛《ひじか》け椅子《いす》のそなえてある元の法院長の客....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
行手の連峰は雨雲の底面でことごとくその頂を切り取られて、山々はただ一面に藍灰色の
帷帳を垂れたように見えている。その幕の一部を左右に引きしぼったように梓川の谿谷が....
「三国志」より 著者:吉川英治
日の暇を乞うて、魯粛が田舎の母に会いに行く時、孫権は、彼の老母へといって、衣服や
帷帳を贈った。 魯粛はその恩に感じ、やがて帰府するとき、さらにひとりの人物を伴....