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「常住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常住の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
咳払《せきばら》いを先立てて襖《ふすま》を開き、畳が腐りはしないかと思われるほど常住坐《じょうじゅうすわ》りっきりなその座になおると、顔じゅうをやたら無性に両手....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は、それは愛の衷に溶けこまずに、いつまでも私の本質の異分子の如くに存続する。私は常住それによって不快な思いをしなければならぬ。誰か憎まない人があろう。それだから....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
べきわずかの場所もなく 水には泳ぐべき少しの流動さえなかりき。 いかなる物質にも常住の形はなく、 何物も互いに意のままにならざりき。 一つの体内に柔と剛は戦い、....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
はありふれた材料を用いて一見いかにも無頓着らしいところにも世の無常が感ぜられる。常住は、ただこの単純な四囲の事物の中に宿されていて風流の微光で物を美化する精神に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
何故なら、元来|恒数と云うものは、常に最初の出発点形式は仮定であり、しかる後に、常住不変の因数を決定するのだからね」と法水の顔に、いったんは混乱したような暗影が....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
といわなければならない。 そのころ、当の金博士はどうしていたかというのに、彼は常住の地下室から、更に百メートルも下った別室に避難し、蟄居してしまった。それは、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たよ。」 と見ると、仏壇に灯が点いて、老人が殊勝に坐って、御法の声。 「……我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
わない。 猟夫は最期と覚悟をした。…… そこで、急いで我が屋へ帰って、不断、常住、無益な殺生を、するな、なせそと戒める、古女房の老|巫女に、しおしおと、青く....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
が墳墓は江戸小石川なる円乗寺といふ寺にあれども、後世を弔ふもの絶えて、安養世界に常住し難し、されば彼の地に尊形の石塔を建て給はゞ、必ず得脱成仏すべしと。これによ....
暗号数字」より 著者:海野十三
段々と西へ流れて東京から遠くなってゆくことが、なんとなく不安であった。彼はそれが常住の土地を離れた者の望郷病だと解し、自分の心の弱さを軽蔑した。 食事がすんで....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
あのことを」「忘れまいぞえあのことを」お上人さまとて折角出来た此の御堂に、そりゃ常住おいでなさり度いのではあろうけれど、聴けばいろいろ御公事に就いての御奔走、そ....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
するよりほか、活動は可能でない。その法則的という方面は永久不変のもので、すなわち常住的のもので、そこに古今にわたり、東西に通じて、一定した方面がある。これが根本....
山吹」より 著者:泉鏡花
それも、はい、後の世の地獄は恐れませぬ。現世の心の苦しみが堪えられませぬで、不断常住、その事ばかり望んではおりますだが、木賃宿の同宿や、堂宮の縁下に共臥りをしま....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
った。この小房の縁に踞して前栽に対する時は誰でも一種特異の気分が湧く。就中椿岳が常住起居した四畳半の壁に嵌込んだ化粧窓は蛙股の古材を両断して合掌に組合わしたのを....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
をも添えたい。静かで浄らかでも蓮の花ではあまりに淋しい。梅でも百合でも香があって常住をともにするには刺戟が強い。では香がなくまた淋し過ぎない花として桜はどうか、....