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「常住坐臥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常住坐臥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の個人主義」より 著者:夏目漱石
国家と云ってあたかも国家に取りつかれたような真似はとうてい我々にできる話でない。常住坐臥《じょうじゅうざが》国家の事以外を考えてならないという人はあるかも知れな....
坑夫」より 著者:夏目漱石
などの夢にも知りようはずがない漢語を安々と、あたかも家庭の間で昨日《きのう》まで常住坐臥《じょうじゅうざが》使っていたかのごとく、使った。自分はその時の有様をい....
旅愁」より 著者:横光利一
は笑った。そこへのっそり入って来た槙三は窓よりの廊下の椅子にかけ山を眺めた。彼は常住坐臥あまり人間のことなど考えていそうでもなく、自然の動きと数の組み合せだけ考....
十二支考」より 著者:南方熊楠
のである。例せば支那から多量に年々輸入した竜眼肉てふ果物は、温補壮陽の妙薬として常住坐臥食い通した貴族富人が多かった。しかるに維新後、漢医法|廢《すた》れて一向....
作家の像」より 著者:太宰治
動している。大事のまえの小事には、戒心の要がある。つまらぬ事で蹉跌してはならぬ。常住坐臥に不愉快なことがあったとしても、腹をさすって、笑っていなければならぬ。い....
ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
事であった。この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住坐臥を支配しているように思われるのであった。 大学の玄関の左側にはちょっと....
表現論随筆」より 著者:豊島与志雄
きである。 然し、その老人が本当に一流の達人ならば、剣や木刀を手にしなくても、常住坐臥の姿に於て、特殊の感銘を人に与える筈である。それを単なる老人と見るのは、....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
争議を示談させるために借り方の男の両手の小指をくくり合せて封印し、貸し方の男には常住坐臥不断に片手に十露盤を持つべしと命じて迷惑させるのも心理的である。エチオピ....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
する。この部落の誰一人安心できない。東京のスリと同じことだ。彼は剣客と同じぐらい常住坐臥ユダンしたことはなかったのである。しかし、まさか七ツの子供が彼をおびやか....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
ようと努力し、父亡きあと直ちに父の会社の社長におさまっても一ぱし通用できるように常住坐臥怠るところがないのであった。今は宿屋の客ひきだが未来は高利貸し会社の社長....
魔像」より 著者:林不忘
お》である。 というのは、わが魚心堂先生は、いつもこの釣竿を離したことがない。常住坐臥《じょうじゅうざが》、釣竿と一緒に起き、釣竿と一しょに寝ているのだ。 ....
妾宅」より 著者:永井荷風
、古典的なる線の明晰を望む先生一流の芸術的主張が、知らず知らず些細《ささい》なる常住坐臥《じょうじゅうざが》の間《あいだ》に現われるためであろうか。(そは作者の....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
いるわけではなかろう。意識しないわけにはいかないのである。しかしあんな奴の視線を常住坐臥に意識していなければならないとすれば、たまったものではない。 しかし僅....
くせ」より 著者:吉川英治
三太郎は、右の耳の疣を、弄ぶ癖がある。初めは、耳朶の端にできた小さな疣だったが、常住坐臥、原稿を書き、恋を語るまも、それをいじるのが、癖となって――イヤ趣味なり....
雪村筆「茄子図」」より 著者:吉川英治
そして、ふと眼をやったとき、何か無口なうちに話し合えるような画でもあれば、これは常住坐臥の愉しい友としてつきあえる。 この「雪村筆・茄子図」などは、見得もない....