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常套語
「常套語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常套語の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
宿舎にいる年長者にもそういう男が多かった。それが僕のような少年を揶揄《からか》う
常套語《じょうとうご》であったのだ。僕はそれを試みた。しかし人に聞いたように愉快....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
い遥かに微妙な嗅覚を持っているに相違ない。 禅家では無念無想というようなことを
常套語に使用しているが、やはり一種のトランス状態に没入した意味だと自分は考えてい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
事物(現象としての)が認識作用に遵合するのである」といった言葉は、単に唯心論者の
常套語とばかりはいい退けてしまうことが出来ない。そこには動かすことの出来ない実際....
「伸子」より 著者:宮本百合子
が加わるせいか、敏感で、気むずかしくなった。凡庸な小冊子の著者によくあるように、
常套語を平気で数多く使ったり、まわりくどくて、明快な思想も感情もない文に出会うと....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
教的儀式とは凡そ縁のないような世界の自由主義国家や唯物論国家やファッショ国家の、
常套語でしかない。こうした俗悪な、民衆的な、非神祇的な、内容が盛られているのであ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
決して円満具足を以て任ずるものでないことを告ぐれば、彼等はドグマだらけの神学者の
常套語などを傭い来りて、自家の主張の防衛につとめる。要するに彼等は或る特殊の場合....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
をおもうのは、今から見ればただの常套手段のように見えるが、当時の人には、そういう
常套語が、既に一種の感動を伴って聞こえて来たものと見える。「真熊野の舟」は、熊野....
「情意の干満」より 著者:豊島与志雄
は巖石の重量に及ばない。本日天気晴朗なれども波高し、というのが日本海軍の海戦記の
常套語だと聞く。私の心中も、本日天気晴朗なれども波高し。こういう時私は、批評家で....
「物理学の応用について」より 著者:寺田寅彦
も事実上そう思った通りにならぬ場合がある。そういう時に世人はよく理論と実際という
常套語を持出して科学者の迂遠を冷笑するのが例である。世俗人情に関した理論などはい....
「犠牲者」より 著者:平林初之輔
分のへまさ加減がいやになった。 「おぼえがありません」というような答えは真犯人の
常套語であるということを、従来の経験にてらして知りぬいている課長は、今村の返事な....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
そのとおりの運命に出逢ったので御座います。 尤も、その時は、嫉妬に駆られた女の
常套語として、私は少しもそれを気に懸けませんでした。そうして、先妻の死後半ヶ年と....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
ないようだ。起居動作、用語の弁、いずれも彼らだけのいとも小さな世界にだけ喜ばれる
常套語をもって、十人が十人紋切り型の交語が飛ぶ。それは声色の声色であり、声帯模写....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
大概、これらの言葉は、人間が悲境のときか、人生の暗黒面に見舞われたときに使われる
常套語になっております。「親の因果で子の出世」とか「何の因果でこの幸福」などとい....