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「常磐木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常磐木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
は「生活、正月号」と云う初号活字である。 63 大きい常磐木《ときわぎ》の下にあるベンチ。木々の向うに見えているのは前の池の一部らしい....
高野聖」より 著者:泉鏡花
》った糸のような流《ながれ》で、これは枝を打って高い処を走るので。ともするとまた常磐木《ときわぎ》が落葉する、何の樹とも知れずばらばらと鳴り、かさかさと音がして....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
て地をば綺麗に掃いたり。榊五六本、秋は木犀の薫みてり。百日紅あり、花桐あり、また常磐木あり。梅、桜、花咲くはここならで、御手洗と後合せなるかの君の庭なりき。 ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
た二頭の鬼が、後から、前を引いて、ずしずしずしと小戻りして、人立の薄さに、植込の常磐木の影もあらわな、夫人の前へ寄って来た。 赤鬼が最も著しい造声で、 「牛頭....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ちょっといぶきのような趣きがあり、枝先は素直に垂れて、粉紅色の花をつける。あんな常磐木にこんな柔かい花が咲くかと思わせるような、奇異で、うるわしい花である。鶴見....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
く走り去った。 で、その後には気味の悪いような、静寂ばかりがこの境地に残った。常磐木――杉や松や柏や、榎、桧などの間に立ち雑って、仄白い花を咲かせていた桜の花....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
空地に釣られてあるではないか。紙帳は、主人に邂逅ったのを喜ぶかのように、落葉樹や常磐木に包まれながら、左門の方へ、長方形の、長い方の面を向け、微風に、その面へ小....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。沙漠に立っている羅布人の村! 人口は約二百人、飲まれる泉が湧いています。青々と常磐木が茂っています。沼には魚が住んでいて葦の間には水禽がいます。住民はみんなよ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、土塀がグルリと取り巻いていた。おびただしいまでに庭木があって、いずれも年を経た常磐木と見えて、土塀の甍から高くぬきんでて、林のように繁っていた。幾棟か建物もあ....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
た。 秋の西山一帯は、午後三時の日光をうけてギラギラと眩しいように輝いている、常磐木の緑もあろう、黒き岩もあろう、黄なる粟畑もあろうが、それらは烈しき夕陽に、....
灰色の姉と桃色の妹」より 著者:小川未明
となっています。がけの下にはさびしい空き地があって、そこには、二、三|本の憂鬱な常磐木が空にそびえていました。そして、その黒ずんだ木立の間に混じって、なんの木か....
酔っぱらい星」より 著者:小川未明
る音楽につれて、みんなは楽しそうに唄をうたっていました。そして、一|本の脊の高い常磐木を中央に立てかけて、それには、金紙や、銀紙が結びつけてあり、また、いろいろ....
公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
いて、ひどい風が、ヒューヒューと音をたてて吹いていました。電線はうなって、公園の常磐木や、落葉樹は、風にたわんで、黒い頭が、空に波のごとく、起伏していました。 ....
みつばちのきた日」より 著者:小川未明
割草は、桜草のいったことに、同感しました。ガラス戸をとおして、外に風が、黒ずんだ常磐木を動かしているのを見ては、早くこの息づまるような温室の中から、広々とした外....
三月の空の下」より 著者:小川未明
が夜に入ると、急に風が出はじめました。 ちょうど、悪寒に襲われた患者のように、常磐木は、その黒い姿を暗の中で、しきりに身震いしていました。 |A院長は、居間....