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幄
「幄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
は相憎《あいにく》とこの麓の里で新粟を初めて嘗むる祭の日であり、娘の神の館は祭の
幄舎《あくしゃ》に宛てられていた。この祭には諱忌《きき》のあるものは配偶さえ戸外....
「運命」より 著者:幸田露伴
出しぬ。天子の正朔を奉ぜず、敢て建文の年号を去って、洪武三十二年と称し、道衍を帷
幄の謀師とし、金忠を紀善として機密に参ぜしめ、張玉、朱能、丘福を都指揮|僉事とし....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
辺にただようた。それはちょうど仙人のいるところを望むようであった。そこで夫婦は衾
幄を同じゅうすることになったが、それは月の世界が必ずしも空に在るときめられないよ....
「李陵」より 著者:中島敦
なじむことも速く、相当の才物でもあり、常に且※侯《そていこう》単于《ぜんう》の帷
幄《いあく》に参じてすべての画策に与《あず》かっていた。李陵はこの衛律を始め、漢....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
活動して実績を挙げた。主脳者であった婦人が死んだ後も、団体は解散せず明治時代|帷
幄《いあく》政治で名のあった女流を会長にしたりして、次第に社会事業など企てて来た....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
や深い、鈍い、空洞な、陰鬱な一時を打った。たちまち室中に光が閃き渡って、寝床の帷
幄が引き捲くられた。 彼の寝床の帷
幄は、私は敢て断言するが、一つの手で側へ引き....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
盛んに、円融帝寛和元年二月十三日に行われたのは殊に振《ふる》った物だったらしく、
幄《とばり》の屋を設け幔《まく》を引き廻らし、小庭と為《し》て小松をひしと植えら....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
うだよ。」 「おかしいね。」 「おかしいことはないさ。高大佐は呂将軍の参謀で、帷
幄の智能だから、一緒に来てもよかろうじゃないか。」 然し、汪紹生は他のことを考....
「中元祝酒の記」より 著者:福沢諭吉
》と。 春来《しゅんらい》、国事多端、ついに干戈《かんか》を動かすにいたり、帷
幄《いあく》の士は内に焦慮し、干役《かんえき》の兵は外に曝骨《ばっこつ》し、人情....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
て、足利将軍家の執事ともあるべきものが物狂わしいこの有様では、なんびとが将軍の帷
幄に参じて敵軍掃蕩の大方針を定める者があろうか。諸人の不安は実にここにあった。取....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ない。
(一同群がりて山より下る。)
鼓と軍楽と下より聞ゆ。帝の帷
幄開張せらる。
帝。上将軍。護衛者等。
上将軍
この丁度好い狭隘へ
全....
「三国志」より 著者:吉川英治
、蕭何のふたりは、どういう功に依って、高祖のかたわらに立つか」 「張良は、籌を帷
幄の中にめぐらして、勝ちを千里の外に決し、蕭何は国家の法をたてて、百姓をなずけ、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 それすら奇怪なのに、内容はなお、幕府|中枢の人々を驚愕させた。 天皇の帷
幄のうちで、討幕の準備が、着々、運ばれている。しかも、それが実行に移る時機は眼の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。 また、同朝。 洛中各所にも、襲撃がおこなわれていた。――かねて天皇|帷
幄の秘臣とにらまれていた大納言宣房、洞院ノ実世、侍従の中納言公明、烏丸ノ成輔など....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と、嘆じていた。 ところへ、何か道誉の打合せが来て、二将は、彼の待つ神社の横の
幄舎へかくれた。そして出発を目前にしながら、道誉を中心に、鳩首、時を移しているふ....