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「幌馬車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幌馬車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
逆行」より 著者:太宰治
せかえった。 村のひとたちの話に依れば、くろんぼは、やはり檻につめられたまま、幌馬車《ほろばしゃ》に積みこまれ、この村を去ったのである。太夫は、おのが身をまも....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
たちが肩を持ち上げながら、ぞぞぞっと歩み寄った。 ちょうどその時、そこへ一台の幌馬車《ほろばしゃ》が通りかかった。幌馬車はそこに立っている馬や人々のために進路....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
から三十六まで、足かけ二十六、七年をサーカス暮し。 このウィンジャマー曲馬団の幌馬車時代から、いま、野獣檻だけでも無蓋貨車に二十台という、大サーカスになるまで....
映画の語る現実」より 著者:宮本百合子
ナーがほかならぬアメリカの最も尖端的な表情で立ち現れる瞬間がある。例えば、南から幌馬車で王一家が再び故郷へかえって来た時、さアいよいよ家へ還ったぞ、おじさんに、....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
何を決めるにも賭けだが、これはなにもホボにかぎったことはない。あめりか人は、幌馬車時代の冒険心がのこっているものか、天下国家の大事でも、日常の些事でも、I'....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
た、わたくしとイリューシャの空想は、今すぐ実現できるかもしれませんよ。小さな馬と幌馬車《ほろばしゃ》を買って、あの子がぜひとも黒駒《くろ》にしてくれと申しますか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にはいった。夕暮れの頃コゼットとともにモンソーの市門からはいった。その市門の所で幌馬車《ほろばしゃ》に乗り、天文台の前の広場まで行った。そこで馬車をおりて、御者....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
屋根はすぐそばにあり、下院の建物も遠くなく、ブールゴーニュ街やサン・ドミニク街の幌馬車《ほろばしゃ》ははでやかに付近をゆききし、黄色や褐色《かっしょく》や白や赤....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
な辻馬車《つじばしゃ》の上段にいっぱい立ち並び、あるいは幌《ほろ》をおろした市営幌馬車にがやがやつまっている。六人乗りの馬車に二十人も乗っている。椅子《いす》や....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
る。全体がいかにも汚く黒く埃っぽくて、貧乏人の葬式馬車もそれにくらべれば成聖式の幌馬車ほどになる。 その二輪車の墓のなかにはいりこむ前に、私は中庭に一瞥《いち....
決闘」より 著者:神西清
とすぐ出発した。先頭の四輪馬車にはサモイレンコとラエーフスキイが乗り込み、次の半幌馬車は三頭立てで、マリヤ・コンスタンチーノヴナとナヂェージダと、それからカーチ....
だいこん」より 著者:久生十蘭
いた。 内貿桟橋と山内岸壁には貨物船が何隻も横づけになり、上屋と税関の構内には幌馬車のような幌をつけた山のようなトラックやトレーラーやモータア・ロオリーがおし....
決闘場」より 著者:岡本かの子
ケットの日に、 私は初めてペッギーを見た。 彼女は乾草の上に腰を下ろして、 低い幌馬車を駆って居た。 タラッタ、ラタ、ラッタラー、 私は歌う、 其の乾草が若草で....
汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
るべく押寄せた。無人の広野はかくて四九年の末までに約十万の人間を呼集め、うち陸の幌馬車組が五万二千、のこりはことごとくケープホーンに帆を光らせる海のゴールドラッ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ので、真岡に上ると、市内見物の道すがら、縁の青い波型の飾りをそよがした例の簡素な幌馬車をリリリンリンリンで、最寄りの自動車屋をあちこちと探し廻ったものだ。見つけ....