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幕外
「幕外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幕外の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の一般席前までさしかかった時でしたが、見物席中からであったか、それともうしろの幔
幕外《まんまくそと》からであったか、一本の鉄扇がヒュウと唸りを発しつつ、たしかに....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
ました。 背後《うしろ》から押される苦痛《くるしさ》に、源は人を分けて特別席の
幕外へ出ました。殿下はまた熱心に馬を見給う御様子。参事官なぞは最早《もう》飽果て....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
で、健啖思わず数碗を重ねる。
日はもうとっぷり暮れて、斗満の川音が高くなった。
幕外は耳もきれそうな霜夜だが、帳内は火があるので汗ばむ程の温気。天幕の諸君は尚も....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
遁《のが》れて三度と故郷を見なんだと載せ、また一アラビヤ人屁迫る事急なるより、天
幕外遠隔の地へ駈け行き、小刀で地に穴掘り、その上に尻を据《す》え、尻と穴との間を....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
方おもてを見合わす。 ※|実に寒山のかなしみも、かくやとばかりふる雪に、積る……
幕外へ。 ※思いぞ残しける。 男は足早に、女は静に。 ――幕―― 大正三(一九一四)年十月....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
が含まれている。エディプの生活はあれで終ったのではない。劇は最後の幕を下しても、
幕外への――将来への拡がりを持つ。その拡がりのために、アンチゴオヌが必要であった....
「エレオノラ・デュウゼ」より 著者:和辻哲郎
。 彼女の祖父はヴェネチアで評判の役者だった。そのころは幕がおりてから、役者が
幕外へ明晩の芸題の披露に出る習慣であったが、祖父はこの披露をしたあとでしばしば自....
「三国志」より 著者:吉川英治
、以て、卑劣なる汝ら害獣を天誅するために研がれている。さ、斬れ味をみろ」 と、
幕外へひき出して、有無をいわせず、二つの首を落してしまった。 「わが君。何を無言....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
れでついたが」 官兵衛は兵糧方が配っていた玄米の握り飯を一つ持って、床几場の陣
幕外に立ってむしゃむしゃ喰っていた。思えば今暁の一刻こそ、実に危うい境ではあった....