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平たい
「平たい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平たいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
がはいっていた。旅団参謀は窓明りに、何度もその針を検《しら》べて見た。が、それも
平たい頭に、梅花《ばいか》の模様がついているほか、何も変った所はなかった。
「何....
「海異記」より 著者:泉鏡花
して退った。 檐下の黒いものは、身の丈三之助の約三倍、朦朧として頭の円い、袖の
平たい、入道であった。 女房は身をしめて、キと唇を結んだのである。 時に身じ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
きなすった、直き後でございますよ。入違いぐらいに、お年寄が一人、その隅こから、扁
平たいような顔を出して覗いたんでございますよ。 何でも、そこで、お上さんに聞い....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ても学校はよくできるのよ、」と云った。その、「学校はよくできる」という調子に全く
平たい説明だけの意味しか響くものがないのを聞いて復一は恥辱で顔を充血さした。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
用する落し金というのは、元来、打附木材住宅特有のものと云われているのだが、大体が
平たい真鍮|桿の端に遊離しているもので、その桿の上下によって、支点に近い角体の二....
「奇妙な遠眼鏡」より 著者:香倶土三鳥
んに返そうと思って、たった今お婆さんが消えて行った暗いところへ行きますと、そこは
平たい壁ばかりで、お婆さんはどこへ行ったかわかりませんでした。 リイはどうしよ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
みちがたゞ年老いて行くことだけでは憐れとも思わない。あの眼も口も篦で一すくいずつ
平たい丸みから土をすくっただけで出来上っている永遠に滑らかな人形のような顔。それ....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
逸建築をありの儘に写した写真なのだから仕方がない。人間の顔を写してもそうなのだ、
平たい陰影の少ない東洋人の顔より、筋骨的な線のはっきりした西洋人の顔が多く効果的....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
へ響いたんです。 そして、すいたらしいッてね、私の手首を熟と握って、真黄色な、
平たい、小さな顔を振上げて、じろじろと見詰めたの。 その握った手の冷たい事ッた....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
よほどの年数物らしい褐色の上衣をきて、灰色の長い靴下に、バックルのついた爪さきの
平たい靴をはいている。彼は痩せているにもかかわらず、すこぶる頑丈な骨ぐみをして、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、およそ一町あまりも歩いたかと思うときに、ふと見るとひとりの小さい人間が川の中の
平たい石の上に身をかがめていました。わたくしは思わず立ち停まって、あの人は何をし....
「不周山」より 著者:井上紅梅
くなり、眼を転じて自分の身の周りを見ると、流水はもう大部退いており、所々に大きな
平たい石が露出し、その石の割目には、色々のものが挟まっておるが、あるものはピンと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
従って行った。 「三十七節。コイルの一つ(二百三フィートの長さの銅線のコイル)を
平たいコイルに繋なぎ、また他のコイルは(前のと同じ長さのコイルで、同種な木の片に....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
には、殆んど上半身を覆うようにして、前より一層大きな、飛石ほどもあろうと思われる
平たい炭塊がのしかかっていた。その炭塊は他所から運ばれたものではないと見えて、す....
「動く絵と新しき夢幻」より 著者:小川未明
これは絵画の領域に属するもので、絵画の上ではあらゆる物象だの、影だのを色彩で以て
平たい板の上に塗るので、時間的に事件を語っているものではない。併し、それが最近の....