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平め
「平め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平めの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろへ注文に参ったはそちでないと申すか」 「いいえ、使いに立ったのはいかにもこの蛸
平めにござりまするが、頼み手はあそこの気味のわるいお大尽でござりまするよ」 「な....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
だて上げて、その睦言《むつごと》の全部を繰り返させた。 「そうすると、西沢のど助
平め、何というかと思ったら『や、義理ほどつらいものは全くない。そして、そのつらい....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
を伏せて深々と色代すれば、其の命拒みがたくて丹下も是非無く、訳は分らぬながら身を
平め頭を下げた。偉大の男はそれを見て、笑いもせねば褒めもせぬ平然たる顔色。 「よ....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
姿が纏まりました。」 「何を……どんなものを。」 「鵞鳥を。二|羽の鵞鳥を。薄い
平めな土坡の上に、雄の方は高く首を昂げてい、雌はその雄に向って寄って行こうとする....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
べに移る。
素延《すの》べは、地鉄のむらをなおし、刃方《はがた》の角《かど》を
平め、鎬《しのぎ》のかどを出す。
火造り――せんすきともいい、はじめて鑢《やす....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
さまのでござります」 其の時|秋山長兵衛が走るように入って来た。 「民谷氏、小
平めをつかまえましたぞ、窃って逃げた薬は、これに」 「これは忝ない」伊右衛門は貼....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
わって足の踏まえ、ピッタリ定まって立派な姿勢。上げた右肘で敵を圧し、全身を斜めに
平めかせ、首を幾何か前方へ曲げ、額い越しに睨んで狙いすました。籠めた気合で抜き打....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
、 「むっ」と喉音潜めた気合。掛けると同時に一躍した。ピカリ剣光、狙いは胸、身を
平めかして片手突き! だが鏘然と音がした。 すなわち与左衛門太刀を下ろし、巻....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
か? いやいや二人は別の所にいた。左側に並んでいる私娼宿の壁へ、ピッタリと背中を
平めかしてつけて、投げ落とされる丸太や礫や、火のついている棒の災いから、巧みにの....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
に竹美しく生い立ちたり。塚のやや円形に空虚にして畳二ひら三ひらを敷くべく、すべて
平めなる石をつみかさねたるさま、たとえば今の人の煉瓦を用いてなせるが如し。入口の....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
、六貫止まりの夏きわだ。最下等品の眼の大きい横太なめばち。なお、中めじ、大めじ、
平めじなどというものなどについては、折を見て物語ることにしよう。....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
野ら猫の一家庭が、自分の家庭と併存して続いて居た。白勝ちの赤毛の斑で、顔の至って
平めなのが特徴であったが、今以てぶちの在り処まで略々同じ猫が、次から次へと代を重....