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平らげる
「平らげる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平らげるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のは気に入らず、もっぱら生の肉を啖って、一食ごとに猪の頭や猪の股を梨や棗のように
平らげるので、子や孫らはみな彼をおそれた。城内に入って活き虎を見て帰ると、彼はい....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
以てその毒を制し、これを殺すという。それから鼬が芸香《るうだ》を以てバシリスクを
平らげるといい出したのだ。また深い穴に毎《いつ》も毒ガス充《み》ちいて入り来る人....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と輪形に陣取って、清正公には極内だけれども、これを蛇の目の陣と称え、すきを取って
平らげること、焼山越の蠎蛇の比にあらず、朝鮮|蔚山の敵軍へ、大砲を打込むばかり、....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
打った。マチアはこんなうまいものを食べたことはないと言った。わたしたちが一さらを
平らげると、すぐにつぎのさらにかかった。カピもおすそわけにあずかりに来た。バルブ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
連中はすっかりいい心持ちになって、うんと腹帯をゆるめて献立表を初めからしまいまで
平らげるのである。 大西洋を一度や二度航海するのとは違って、われわれのように度....
「博物誌」より 著者:岸田国士
終を告げ知らす。 やがて、その耳が垂れる。 と、彼はそのサラダの葉をゆっくり
平らげる。 La Souris ランプの光で、書きものの今日のページを綴ってい....
「声と食物」より 著者:宮城道雄
かかることがあるが、観世氏は非常に大事なお能のある前には、ビフテキを二皿も三皿も
平らげるということを聞いた。 すべて、歌う前には動物性の油は咽喉によいが、植物....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
亭も来る度毎に必ずこの常例の釜揚を賞翫したが、一つでは足りないで二つまでペロリと
平らげる事が度々であった。 二葉亭の恩師古川常一郎も交友間に聞えた食道楽であっ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
べるには実に驚く。賄征伐《まかないせいばつ》を遣《や》る時には一人で七、八人前を
平らげるという剛の者だ。鰻《うなぎ》の丼《どんぶり》なら三つ以上五つ位食べなけれ....
「車蝦の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
れば、食通とはいえまい。 この食通も、てんぷらなら二十や三十はわけなくペロリと
平らげるが、茶漬けという名がつくと妙におじけだす。....