平日[語句情報] » 平日

「平日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
梯子の下に立った洋一は、神山と一しょに電話帳を見ながら、彼や叔母とは没交渉な、平日と変らない店の空気に、軽い反感のようなものを感じない訳には行かなかった。 ....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ら気がついたけれど、もう間に合わない。うちへ帰って早速母に詫《わ》びたけれど母は平日の事が胸にあるから、 「何も十枚ばかりの蓆が惜しいではないけれど、一体私の言....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来る。柿や栗や芒《すすき》の木兎《みみずく》などの土産物を売る店も出る。まったく平日と大違いの繁昌でした。 ところが、その繁昌の最中に一つの事件が出来《しゅっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
妖怪であろうと言い合った。 あくる日もつづいて漁に出ると、きょうは網に入る魚が平日の幾倍であった。漁師のうちで平生から持病のある者もみな全快した。故老の話によ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
何だか薄暗いような、陰気な店構えをしているのが多かった。大通りの町々と云っても、平日は寂しいもので――その当時は相当に賑やかいと思っていたのであるが――人通りも....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
同じ平生のガチ/\であっても、其のガチ/\の底に陰気の音が籠っていた。総支配人は平日に無い靴を穿いていた。『△△さんの靴は初めて見た、』と暢気な観察をする小僮も....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
好い人であった。その好い人が町を離れて此処で清い空気を吸って、緑色な草木を見て、平日よりも好い人になって居るのだ。初の内は子供を驚かした犬を逐い出してしまおうと....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
一種の愉快を感じながら歩いた。 二回目に先生を訪問したのは四月の末で、その日は平日であったので通学中の多代子さんは見えなかった。先生のお嬢さんも病気が全快して....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
って躊躇し、※。 式の当日は賑やかなことや、馬鹿騒ぎはせぬ様にし、またこの日が平日と特に区別の無い様にしようとの希望であった。しかし実際においては、この日こそ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
いてから、始終くよくよして、しばらく煩ってまでいたのが、その日は誕生日で、気分も平日になく好いというので、髪も結って一枚着換えて出たのであった。 小町下駄は、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
いつの間にか時が経ったと見えて、もう冷くなった寝床へ入って寐た。 あくる日は、平日より早く目が覚めたが、またお夏が例になく起きて来ぬ。台所もすっかり片づいて、....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
った。更ければ更けるほど益々身が入って、今ではその咄の大部分を忘れてしまったが、平日の冷やかな科学的批判とは全く違ったシンミリした人情の機微に入った話をした。二....
年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
のは、回礼者の減少である。もちろん今でも多少の回礼者を見ないことはないが、それは平日よりも幾分か人通りが多いぐらいの程度で、明治時代の十分の一、ないし二十分の一....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
間隙を得ること難ければなり。 国教宗の寺院はたいてい毎日朝夕二回礼拝を行うも、平日は読経のみにて説教なし。説教あるは日曜朝夕とその他の祭日に限る。非国教宗は日....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ときどき高浪の波よけをこえて打ち込むあれば、危険を免れず。二十四時間の船の航程、平日三百マイル前後なるに、今日はわずかに百二十三マイルに過ぎず。かかる風波船動の....