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「平気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
とやって、ふてぶてしく空うそぶいた。 「そのくせ、人間が人間を殺すのは、お互いに平気で、見ているじゃないか。」 「そう言えば、そうさ。」 次郎は、ちょいと鬢《....
」より 著者:芥川竜之介
る心もちを抑《おさ》えていた。が、大勢《おおぜい》の面会人は誰も存外《ぞんがい》平気らしかった。殊に丹前《たんぜん》を二枚重ねた、博奕《ばくち》打ちらしい男など....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
ない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥《もくあみ》になってしまう。それでも、当人は平気なもので「やはり飲まずにいますと、かえって体にいけませんようで」などと勝手な....
十円札」より 著者:芥川竜之介
返されないことは確かである。彼は原稿料の前借《ぜんしゃく》などはいくらたまっても平気だった。けれども粟野さんに借りた金を二週間以上返さずにいるのは乞食《こじき》....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
れがはいるたびにはらはらと火の粉がちる。火の粉は職工のぬれ菰にもかかる。それでも平気で何か歌をうたっている。 和田さんの「※燻《いくん》」を見たことがある。け....
路上」より 著者:芥川竜之介
の後《うしろ》から、険《けわ》しい視線を大井へ飛ばせたが、大井は一向《いっこう》平気な顔で、鉈豆《なたまめ》の煙管《きせる》をすぱすぱやりながら、 「あるいは百....
仙人」より 著者:芥川竜之介
好《い》い。」と、素《そ》っ気《け》なく横を向いてしまいました。 しかし女房は平気なものです。 「では仙術を教えてやるから、その代りどんなむずかしい事でも、私....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
には、あまり形式が勝っていて、万事がおおぎょうにできすぎている。――そう思って、平気で、宗演老師の秉炬法語《へいきょほうご》を聞いていた。だから、松浦君の泣き声....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。しかし馬の脚は丈夫ですよ。時々|蹄鉄《ていてつ》を打ちかえれば、どんな山道でも平気ですよ。……」 するともう若い下役《したやく》は馬の脚を二本ぶら下げたなり....
或る女」より 著者:有島武郎
はいえない九月の朝の、煙《けむ》った空気に包まれて聞こえて来た。葉子《ようこ》は平気でそれを聞いたが、車夫は宙を飛んだ。そして車が、鶴屋《つるや》という町のかど....
或る女」より 著者:有島武郎
の心を本能的に煽《あお》ぎ立てるのだった。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
別不思議とも無気味とも思われない、自然の現象に過ぎませぬ。従って私としては割合に平気な気持で自分の臨終の模様をお話しすることができるのでございます。 四百|年....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た他の学者がやる様に、既知の事実をただ細かく、他の人が気もつかない様な所までも、平気で想像を逞しくして実験にかかったのである。」というた。 またケルヴィン男の....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
しないで、一たび選挙で多数をとったら、政権についたら、選挙のとき公約しないことを平気で多数の力で押しつけようというところに、大きな課題があるといわなければならぬ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
と持続性の研究であり、おかげで私は水も飲まずに二、三時間の演説をやるのはいまでも平気だ。演説の思い出は多いが、その中でアジ演説で印象に残ったものを、自慢話めくが....