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平石
「平石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平石の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
屋敷へ上って来る赤土道に、一尺置ぐらいに敷並べてある四角い花崗岩《みかげいし》の
平石《ひらいし》を、わななく手で指した。草川巡査はうなずいた。腰を屈《かが》めて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
通るに必ず雨ふるなり云々、また曰く、下野国佐野の家にも秀郷より伝えし鎧あり、札に
平石権現と彫り付け牡蠣《かき》の殻も付きたり、かの家にては「おひらいし」の鎧とて....
「朝の風」より 著者:宮本百合子
いた廊下の端れで、二枚のドアが市内らしく狭い内庭に向ってあいていた。朝露に濡れた
平石の上に石菖《せきしょう》の大きな鉢がおいてあって、細く茂りあった葉もまだ露を....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
、第一場は、静岡県見付の町外れの国道に面する草原の場面であった。その草原の中央の
平石に腰をかけている若親分、等々力久蔵の前に、金モール服の薬売人に化けた生蕃小僧....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
槌の彫刻、根にダリヤとデエジイと薔薇と百合の花束をりぼんでしばった鉄の鋳物、下の
平石に HENRIK IBSEN と読める。右に祭壇、左に夫人の墓石――枯葉が散....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、錦の袋に入れて二百人でこれへ運びました、天下一の名石でございます。 これが琴
平石、平忠度《たいらのただのり》の腰掛石、水の流れのような皺《しわ》のあるのがな....
「じいさんばあさん」より 著者:森鴎外
坂の城とに交代して詰めることがある。伊織が妻を娶ってから四年立って、明和八年に松
平石見守が二条在番の事になった。そこで宮重七五郎が上京しなくてはならぬのに病気で....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
た位置にあることだった。内陣から一段高くなった聖壇《チャンセル》の北側にあって、
平石で蔽われ、その上に詩人自らの選した有名な四句が刻みつけられてある。―― G....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
の地下道がこの地点で行き詰まったことを発見した。そこでふと天井を眺めて見た。と、
平石が並べてある。長い年月を経たものと見えて石と石とのその間にわずかながらも隙間....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
があった物で、それを今の金堂に使用するに当りて、その柱座を削り去り、他の柱座なき
平石のままの礎石と交えて、使用せられた事実が極めて明白に認められるのである。こと....
「福沢諭吉」より 著者:高山毅
んやくがかりとして、くわわることをめいぜられたからです。外国奉行の竹内下野守・松
平石見守・京極能登守の三|人が使節で、その役目は、まえにやくそくしていた江戸・大....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あって。 「――待てとの御意です」 「そうか。しからば」 鬼六は、門側の大きな
平石に腰かけて、召しを待った。 その間に、兵の頭をつかまえて訊いてみると。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「……ウむ、……何?」 反問するような顔を持ちながら、尊氏は、大庭の大きな
平石へ腰をおろし、 「いい年をして、具簡はなにをいうか。復讐とな? ――そんなお....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
けは、もっと後までも行われていたのではなかろうかと思います。俎岩などという名前の
平石が、折り折りは神社に近い山川の岸に残っていて、そこでお供え物を調理したように....