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「年々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
良夜」より 著者:饗庭篁村
渋窮まりしを伯父が救いて全快させしうえ路用を与えて帰京させたれば、これを徳として年々礼儀を欠ず頼もしき者なればとて、外に知辺もなければこの人を便りとしたりしなり....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
「お」の字のお上《かみ》の話によれば、元来この町の達磨茶屋《だるまぢゃや》の女は年々|夷講《えびすこう》の晩になると、客をとらずに内輪《うちわ》ばかりで三味線《....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
らかようなものでございましょうか。その間に北の方《かた》も御迎えになりましたし、年々の除目《じもく》には御官位も御進みになりましたが、そう云う事は世上の人も、よ....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
類の野菜ですか?」 老人「それは神の意志ですね。どう云うものとも云われません。年々《ねんねん》少しずつ違うようですし、またその違う訣《わけ》もわからないようで....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
出して他人の漁場を使わなければならなくなったのと、北海道第一と言われた鰊の群来が年々減って行くために、さらぬだに生活の圧迫を感じて来ていた君の家は、親子が気心を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
人を窒息させ、また疫病をもたらすものだとしているが、まさにその通りに、これに次ぐ年々の間欧州では疫病が猖獗を極めて数千の人がそのために墓穴に入ったではないか。』....
三枚続」より 著者:泉鏡花
傍から年増のが気をつけたんです。 坐ったのは、お膳の前でしょう、これは先生。毎年々々そうやって差向いに並べても、向うへ坐った奴はまだ一人も無かったんだそうで。....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
どまりで、そのうちには、芽が葉になり、葉が花に、花が実になり、雀の咽が黒くなる。年々二、三度おんなじなのである。 ……妙な事は、いま言った、萩また椿、朝顔の花....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
佐美の方へ三里も山奥の谷間の村が竹の名所でありましてな、そこの講中が大自慢で、毎年々々、南無大師遍照金剛でかつぎ出して寄進しますのじゃ……と話してくれました。…....
雪柳」より 著者:泉鏡花
を、筆者は十四五の時、目のあたり知っている。草の中に切株ばかり朽ちて残った。が、年々春も酣になると、おなじ姿の陽炎が立つといいます。むかし享保頃、ここに若い人の....
転機」より 著者:伊藤野枝
成立して、ひとまずそれは片附いたのだ。しかし水源地の銅山の樹が濫伐されたために、年々洪水の被害が絶えないのと、その洪水のたびに、やはり鉱毒が濁水と一緒に流れ込ん....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
の畑地を二三ヵ所に飛び飛びに耕作していたが、そこには五畝歩ほどの不毛地――恐らく年々の洪水のために蚕食されて川床になっている部分でも勘定に入れない限り、誰が見て....
」より 著者:犬田卯
だ七俵はなければならなかった。それが一俵、他に屑米が一俵、それだけだった。 毎年々々のことだったが、おせきは田植時分からその苦労のために痩せる思いだった。出来....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
のフランス、スイスの間に遊ぶものなりという。友人曰く、フランスの富をなすゆえん、年々外国人のその地に来たりて金を散ずるによると。政教子このことを聞きて曰く、日本....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
アルゼンチン全国人口六百四十八万九千二十三人の五分の一は、首府に住する割合なり。年々欧州より移住するうち、六分はイタリア人、三分はスペイン人なりという。ブエノス....