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「年がら年中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年がら年中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
慈の神、おまえは冷たい。骨の髄に浸みるまで冷たい。えい、冷たいままで勝手におれ、年がら年中冷たい雪を冠っておるのがいいのさ。草木も懐かぬ裸山でおれ。凍るものから....
三十年後の東京」より 著者:海野十三
ありません。また温度はいつも摂氏二十度になっていますから、暑からず寒からずです。年がら年中そうなんですから、服も地下生活をしているかぎり、年がら年中同じ服でいい....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
った金がころがりこむと、じきにうれしくなって人にバラ撒いちまいますんで、この通り年がら年中文なしのヤクザ野郎でごぜえます」 「わはは。道理でのう。目が細うて、鼻....
縮図」より 著者:徳田秋声
んの兄弟よ。あの姐さんも気の毒よ。男の兄弟も多勢あるのに、どれもこれもやくざで、年がら年中たかられてばかりいるのよ。この土地建て初まりからの姐さんだけれど、今に....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
。また温度はいつも摂氏《せっし》二十度になっていますから、暑からず寒からずです。年がら年中そうなんですから、服も地下生活をしているかぎり、年がら年中同じ服でいい....
大空魔艦」より 著者:海野十三
いときにも、北極で戦争をするのかい」 「あんなことをいってらあ、北極の附近なら、年がら年中、氷が張っているじゃないか」 「それはそうだけれど、あの辺だって、夏に....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ビール樽のように肥った赤坂巡査が横から口を出しました。「ここの主人の谷村博士は、年がら年中、天体望遠鏡にかじりついてばかりいて他のことは何にもしないために、今で....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
んに蜻蛉《とんぼ》でも止ったように載っけている。朱を刷いたような艶々した赭ら顔は年がら年中|高麗狛《こまいぬ》のように獅子《し》噛み、これが、生れてからまだ一度....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ろうはずがない。馬鹿めが中間部屋にばかり入りびたる、といって外聞悪がるのである。年がら年中、一枚看板の袷をひきずり、夕顔に眼鼻をつけたような、この異相の勤番くず....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
ど紙面の美観を台なしにしてしまうほどの、尨大かつあくどい広告のおかげだ。もっとも年がら年中医者の攻撃ばかしやっていたわけではない。 そんな芸なしのおれではなか....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
ながら云う。 説明が終った時、つめたい鉄柵を撫でながら私は言った。 『あなたは年がら年中、このブリッジに立って果しもない大海を眺め、潮風に吹かれ、雲の変化を見....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
ういうわけなんです」 「この火急の場合に愚《おろか》なことを尋ねてはいかん。星は年がら年中空にあるが、日が暮れぬと、われわれの眼には見えんだけのことだ。隕ちたけ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
お嬢さんの結婚式だとか、村道の開通式だとか、わけのわからぬ暦《こよみ》に従って、年がら年中、地図にもないような村々を巡って歩いているものなんでございます。さて、....
初看板」より 著者:正岡容
アテにしなくなってしまっていました。十年一日――曇りの次は雨、雨の次は雪また嵐と年がら年中この繰り返しで、ほんとに日の目ひとつ見たことのない私は、なまじはじめの....
氷屋ぞめき」より 著者:古川緑波
近頃では、アイスクリームなんてものは、年がら年中、どこででも売っている。そば屋にさえも、アイスクリームが、あるという。....