年の内[語句情報] » 年の内

「年の内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年の内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
音が、うるさいほど枕に通《かよ》って来た。その上、寒さもめっきり加わったので、老年の内供は寝つこうとしても寝つかれない。そこで床の中でまじまじしていると、ふと鼻....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
《ゆ》きましょう/\」 文「さア帰ろう」 と森松を連れて宅へ帰りまして、其の年の内にお村と友之助に世帯を持たせなければならんから、諸方を探すと、浅草|駒形《....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
次郎左衛門は唯にやにや笑いながら草鞋《わらじ》の紐を結んで出た。それが果たして今年の内に出直して来た。しかも佐野屋の家は潰れてしまったというのであった。亭主も夢....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
違ない。僕は中学校を卒業するまでにも、四五年間のある体であるのに、民子は十七で今年の内にも縁談の話があって両親からそう言われれば、無造作に拒むことの出来ない身で....
旧主人」より 著者:島崎藤村
ん》を上げました。静な上に暖で、それは欺《だま》されたような、夢心地のする陽気。年の内とは言いながら梅も咲《さき》鶯も鳴くかと思われる程。猫まで浮れて出て行きま....
真田幸村」より 著者:菊池寛
この度の御和睦も一旦のことなり。終には弓箭に罷成るべくと存ずれば、幸村父子は一両年の内には討死とこそ思い定めたれ」と言って、床の間を指し「あれに見ゆる鹿の抱角打....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、玄石と茂二作夫婦は八丈島へ遠島になって、玄石は三年目に死去し、茂二作夫婦も四五年の内に死去いたしたのは天罰、斯くあるべき筈でございます。さて長二郎は死罪を覚悟....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
子の作さんは草鞋ばきで女中を探してあるいて居る。些好さそうな養蚕傭の女なぞは、去年の内に相談がきまってしまう。メレンスの半襟一かけ、足袋の一足、窃と他の女中の袂....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
相続してから、輔佐の良臣が有ったとは云え、もう立派に一個の大将軍になって居て、其年の内に、反復常無しであった大内備前を取って押えて、今後異心無く来り仕える筈に口....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
自由であり、議会という国家学的なカテゴリーの自由だけで、元来あるわけだ。この点、年の内に何べん内閣が代ろうとも、幾遍軍部大臣が交替しようとも、また何べん議会が解....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
は通りがかりに、バグリオーニと遠くの方から冷やかな挨拶を取り交したが、彼はこの青年の内面に何か注意に値いすべきものあらば、何物でも身透さずにはおかぬといったよう....
獄中消息」より 著者:大杉栄
ついたものだ。光陰も本当に矢のごとく過ぎ去ってしまう。長いと思った二年半ももう二年の内にはいった。ついでに言う、僕の満期は四十三年十一月二十七日だそうだ。 先....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
うか頼むというと、問屋の小僧さんが自転車か自動車で直ぐ持って来てくれる。それが一年の内には何十遍何百遍かになってどんなに苦労をかけているか知れない。それで私の所....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
私の友人マルタンが私に貸与した金額であるとする。私はマルタンに対し、二年または三年の内に一部分の返済を約したとする。この場合に、この金額がマルタンから来たことを....
友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
に帰ってから数えてみると、私のごく親しい友人や比較的近しい友人達の内で、この一二年の内に学位を取ったものが、(医学博士は除いても)少くとも六、七人はいるのである....