年の暮れ[語句情報] » 年の暮れ

「年の暮れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年の暮れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
受けて浮橋がさきへ来た。女房と女中が階下《した》へ立ったあとで、浮橋は花魁がこの年の暮れに手詰まりの訳を話した。それも五十両ばかりあればいいのだが、さてその工面....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
縫の声は陰って来た。 お時もおどろいた。 外記は今まで番士を勤めていたが、去年の暮れに無役《むやく》の小普請《こぶしん》入りを仰せつかったというのであった。....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
しゅつ》すべきかということだった。 これが五年前なら五千円の貯金があった。その年の暮れ、三千円というものを費《つか》って新妻を持った。その細君はさらに次の年に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
得のために聞いて置くだけのことだ。おめえの娘は此の頃ここへ訪ねて来たかえ」 「去年の暮れにまいりました」 「ひとりで来たのか」 「お信という女中を連れて来ました....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しました」 「そう云うには訳があるだろう。おれはみんな知っている。ここの主人は去年の暮れ、なんで堀江まで出かけたのだ」 よく知っていると云うように、お熊は半七....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
し出さなければならないので、知り合いの手先に頼んで内々で探索することになった。去年の暮れ、丸多の手代が懸け金の持ち逃げをした時に、手先の亀吉が調べに来て、与兵衛....
去年」より 著者:伊藤左千夫
。そうして去年は暮れた。 不幸ということがそう際限もなく続くものでもあるまい。年の暮れとともに段落になってくれればよいがと思っていると、息はく間もなく、かねて....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
であったと思う。 その演劇は正月の八日が初日であったように記憶している。その前年の暮れに、私が途中で榎本君に逢うと、彼は笑いながら「君、怒っちゃいけないよ」と....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の屋敷内に一種の研究所のようなものを作って、熱心にその研究をつづけていると、その年の暮れ、その鏡が世にあらわれてから丁度一年目に、いっさいの秘密がはじめて明白に....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
、前に言ったアムステルダム大会一つくらいのもので、ずいぶん久しぶりに開かれた一昨年の暮れのベルリン大会なぞも、長い間の運動の経験を持った名のある同志はほとんど一....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
のです。」 こう決めた以上は、もとより隠すべきことでもないので、溝口家ではその年の暮れから婚礼の準備に取りかかった。溝口の細君は娘を連れて、幾たびか大丸や越後....
端午節」より 著者:井上紅梅
れは無理もないことだ。わたしと金永生は元から深い識合いではなかった。彼は続いて去年の暮れのことを思い出した。そのとき一人の同郷生が十円借りに来た。彼は明かにお役....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
江屋一家には別条なく、井戸屋にもなんの障りもなく、ここに一年の月日を送って、その年の暮れにお妻は懐姙した。 本来ならば、めでたいと祝うのが当然でありながら、そ....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
のです。」 こう決めた以上は、もとより隠すべきことでもないので、溝口家ではその年の暮れから婚礼の準備に取りかかった。溝口の細君は娘を連れて、幾たびか大丸や越後....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
亭であった。矢崎は明治十九年の十月には処女作『守銭奴の肚』を公けにし、続いて同じ年の暮れに『ひとよぎり』を出版し、二葉亭に先んじて逸早く嵯峨の屋お室の文名を成し....