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年の頃
「年の頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年の頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
えすがた》を掲げた旗竿を片手につき立てて、佇《たたず》んでいるのでございました。
年の頃はかれこれ三十にも近うございましょうか、色の黒い、眼のつり上った、いかにも....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
までは軒下の格子などはなかったものだ。 世の中がこんなに動乱を極めている明治元
年の頃は、寄席などに行くものがない。ぺいぺい役者や、落語家やこの種の芸人が食うに....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ある。が、憚りながらそうではない。我ながらちょっとしおらしいほどに思う。かつて少
年の頃、師家の玄関番をしていた折から、美しいその令夫人のおともをして、某子爵家の....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ょうか。」 「いや、構わんでも可い、大層お邪魔をするね。」 ともの優しい、客は
年の頃二十八九、眉目秀麗、瀟洒な風采、鼠の背広に、同一色の濃い外套をひしと絡うて....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬ。 『御免くださいませ……。』 私は思い切ってそう案内を乞いました。すると、
年の頃十五|位に見える、一人の可愛らしい小娘がそこへ現われました。服装は筒袖式の....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
のは、話は面白かったが、読んで味いがなかった。 ◇ 明治十三、四
年の頃、西鶴の古本を得てから、私は湯島に転居し、『都の花』が出ていた頃紅葉君、露....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
はこの「煉瓦」にありました。いわば昔からハイカラな所だったのです。 明治七、八
年の頃だったと思いますが、尾張町の東側に伊太利風景の見世物がありました。これは伊....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
く見られない、時世の飛躍的な推移は驚愕の外はない。瓦斯の入来したのは明治十三、四
年の頃で、当時|吉原の金瓶大黒という女郎屋の主人が、東京のものを一手に引受けてい....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
車の系統に属するものである。 鷹山上杉治憲公が日向|高鍋城主、秋月家より宝暦十
年の頃十歳にして、米沢上杉家へ養子となって封を襲うた関係上、九州の特色ある玩具が....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
奥山の鳩が一羽もいなくなった事がありました。奥山見世物の開山は椿岳で、明治四、五
年の頃、伝法院の庭で、土州山内容堂公の持っていられた眼鏡で、普仏戦争の五十枚続き....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーの心に上った年代はいつ頃であったのか、と考え出した。どうも一八三一、二
年の頃であるらしく思われた。なぜかというと、この後ファラデーのやった様に、盛んに....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
の盤、かの老媼茶話に、 奥州会津|諏訪の宮に朱の盤という恐しき化物ありける。或暮
年の頃廿五六なる若侍一|人、諏訪の前を通りけるに常々化物あるよし聞及び、心すごく....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、乳首を含ましたら今でもすやすやと寐そうに見えて、これがために不思議に愛々しい、
年の頃二十三四の小造で瘠ぎすなのが、中形の浴衣の汗になった、垢染みた、左の腕あた....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
うのは当にならぬ。血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念が跳って、
年の頃人の妻女か、素人ならば手で情を通わせようし、夜鷹ならば羽掻をしめて抱こうと....
「活人形」より 著者:泉鏡花
はまず卒倒者の身体を検して、袂の中より一葉の写真を探り出だしぬ。手に取り見れば、
年の頃|二十歳ばかりなる美麗き婦人の半身像にて、その愛々しき口許は、写真ながら言....