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年一年
「年一年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年一年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
禍《わざわ》いなるかな。天公|桂《かつら》内閣の暴政を怒《いか》るか、天災地変は
年一年|甚《はなはだ》しくなる。国家のため実に寒心に堪えぬ次第ではないか。 し....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
パンはぜる花火のほうが江戸っ子の唐竹《からたけ》気性にずっとかないましたものか、
年一年と花火にお株を奪われまして、ただいまではまったくその面影すらもとどめていな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
年頃になった人間でも、突然に姿をかくして五日、十日、あるいは半月以上、長いのは半
年一年ぐらいも其のゆくえの知れないことがしばしばある。そうして、ある時に何処から....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
はいかなる訳か。 考えて見ると果してその夜のごとき感情を繰返した事は無かった。
年一年と苦労が多く、子供は続々とできてくる。年中あくせくとして歳月の廻るに支配さ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
いった五年は三組で二百人か二百五十人かいた。四年は二組で百五十人、三年は百人、二
年一年は四、五十人というように、級がさがるに従って生徒の数が減っていた。わざわざ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
いた。幼いからの聡さにかわりはなくて、玉・水精の美しさが益々加って来たとの噂が、
年一年と高まって来る。 姫は、大門の閾を越えながら、童女殿上の昔の畏さを、追想し....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
るようになりましてからは、富山の薬売、城端のせり呉服も、碌に越さなくなりまして、
年一年、その寂れ方というものは、……それこそまた、猿どもが寄合場になったでござい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
何うあっても一|緒になることができないのでした。 こんな事で、敦子さまの婚期は
年一年と遅れて行きました。敦子さまは後にはすっかり棄鉢気味になって、自分は生涯嫁....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
明日ここを出ようじゃないか」 「こんなに待遇のよいうちを急にでる必要はないね。半
年一年、ゆるりと滞在しようじゃないか」 「そんなに長居してはオレの命がなくなって....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。それをそッくりやるわけにはいかぬが、長の山には平地があるから、お前一人の腕で今
年一年かかって山をきりひらいて畑にしただけくれてやる。明日からさッそく仕事にかか....
「瘤」より 著者:犬田卯
、いずれにしても瘤にも寿命というものはあろう、いや、名村長、大ものの貫禄はいまや
年一年減少しつつあると考えてもあえて間違いではないであろう。 根こそぎ町の金持....
「米」より 著者:犬田卯
げれば大してその部分だけは施肥する必要がなかったばかりか、その上、水田そのものが
年一年と高くなって、いくらか秋の水害を脱れるたしになったのである。 「勝、早く持....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が、やはり問答の教科書及び参考書が沢山あって、年々それに相応する取調べをして、一
年一年に及第して二十年間の修業を積んで始めて博士の位を得るようになるのでございま....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の次第に衰うる一例は、その人民中、自らヤソ教の信徒にあらざることを明言するもの、
年一年より加わるを見て知るべし。すでにフランスのごときは、一八八一年一二月の統計....
「西航日録」より 著者:井上円了
アイルランドの首府なり。そのつぎをベルファストとす。これ商工業の中心にて、近来、
年一年より繁栄に進むという。工業中、当地の特産は麻布なり。 十万人家工又商、街車....