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年取り
「年取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
少しお願いがあるんですがね」 かれは道具屋の惣八という男で、掛物や色紙短冊も多
年取りあつかっている商売上の関係から、ここの家の門を度々くぐっているのであった。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
地蜂の子を賞美し、肴と言えば塩辛いさんまか、鰯か、一年に一度の塩鰤が膳につくのは
年取りの祝いの時ぐらいにきまったものである。それに比べると、ここにある鮪の刺身の....
「嵐」より 著者:島崎藤村
はもう一寸四|分ぐらいで鴨居にまで届きそうに見える。毎年の暮れに、郷里のほうから
年取りに上京して、その時だけ私たちと一緒になる太郎よりも、次郎のほうが背はずっと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
精義』等の専門書もあり、支那、ジャバ、前後インド諸国の産を夥しく輸入したが、予先
年取り調べてペルシア海の鮫皮がもっとも日本で尊ばれたと知った。而してタヴェルニエ....
「農村」より 著者:宮本百合子
鬼等の中《うち》がいっちええわ、なあ、お前様。 お前様みたいな方は、若いうちも
年取りなっても同じなんべえけど、己等みたいなものは、婆《ばば》になったらはあ、も....
「金の輪」より 著者:小川未明
のであります。 独りしょんぼりとして、太郎は家の前に立っていましたが、圃には去
年取り残した野菜などが、新しく緑色の芽をふきましたので、それを見ながら細い道を歩....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
綽名して鳥御前という。早池峯、六角牛の木や石や、すべてその形状と在処とを知れり。
年取りてのち茸採りにとて一人の連とともに出でたり。この連の男というは水練の名人に....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
はり不吉の兆として気にかけたものであった。 牛や犬・猫・鶏には、もちろん銘々の
年取りがあったのみならず、同じ晩はまた道具の年越と称して、臼や箕や枡の類まで、一....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
の人たちはよく知っていると思うが、あの地方ではこの日をカガシアゲ、もしくはソメの
年取りといって、ソメすなわち山田の案山子を田から迎えて来て、屋敷の片隅の静かな場....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
だ芝居見物などにゆく余裕は出てこなかった。 それから五年たった。私は研究室で長
年取り組んでいた放射線の障害を受けて白血病にかかってしまった。余命あと幾年もない....