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年始状
「年始状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年始状の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
い態度になった。 ところが二カ月ばかり経って、年が改まると共に、彼は私に普通の
年始状を寄こした。それが私をちょっと感心させたので、私はつい短冊へ句を書いて送る....
「道草」より 著者:夏目漱石
前の光景を今日《こんにち》の事のように考えた。 「ことによると、良人《うち》では
年始状位まだ出してるかも知れないよ」 健三の帰る時、姉はこんな事をいって、暗《....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
早々主人の許《もと》へ一枚の絵端書《えはがき》が来た。これは彼の交友某画家からの
年始状であるが、上部を赤、下部を深緑《ふかみど》りで塗って、その真中に一の動物が....
「野分」より 著者:夏目漱石
友達って別に友達なんかありゃしない。同級生はみんな散ってしまった」 「だって毎年
年始状を御寄《およ》こしになる足立《あだち》さんなんか東京で立派にしていらっしゃ....
「分配」より 著者:島崎藤村
な、そういう年ごろに達したのかもしれない。 今でこそあまり往来もしなくなって、
年始状のやり取りぐらいな交際に過ぎないが、私の旧い知人の中に一人の美術家がある。....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
ら来やしないんだものね。麹町にも、とんとごぶさただそうだし、私のところへなんか、
年始状だって寄こしゃしない。それぁもう、私なんかは、――」また始めたい様子である....
「縮図」より 著者:徳田秋声
いたことすら知らずにいたのだったが、なるほどそう言えば正月に受け取った時ちゃんの
年始状の端に、また妹が一人|殖えました、どうして家には男の子が出来ないんでしょう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
申して一同一座の興を催しましたが、その国でそれからこの俗言が流行《はや》りますと
年始状の尚々書《なおなおが》きに申して上せましたくらい、さて当年で四十九年以前、....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
百姓弥之助が少々うたれ気味であったが今日は六番戦って五番勝つと云う好成績である。
年始状や年礼のしるしや名刺が本館の玄関のテーブルに置かれてある、今晩はこの部落の....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
義雄と同姓同名であったのを見て私は不思議の感を催していたところ、それから一年後の
年始状に将棋六段木村義雄と署名したのが届いた。そのとき私はさてはこういう人であっ....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
もつまらないし、人によっては同性愛なんてけちをつけまいものでもなし――結婚したら
年始状以外に私へ文通するでは無いと、結婚前にあれほどくどく言ったじゃないか。それ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
こういう家々の正月が、いかに晴々と心の改まるものであったかを考えると、自分たちの
年始状と初刷との中に、ごろんと寝ころんでいるような新年の、徒然なものであることに....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
んだのだが、そうなったのもあまり古いことではない。私などの小学校にいる頃までは、
年始状には必ず千里同風という言葉を使わせられた。国の四方の端々まで、ちょうどこの....